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2020年09月12日(土) 
1.完全オンラインとなった大学の授業

 関西学院大学*1では、新型コロナウィルス感染症の流行のため、2020年4月7日から20日までの間、すべての学部の全授業科目および大学院の講義科目が休講となりました。その後、4月21日から原則オンライン授業の実施が指示され、5月7日以降は全学で完全にオンラインに移行しました。

 コロナ禍での突然の決定でしたが、総合政策学部のサイバー社会論では、この機会にオンラインのメリットを活かした授業の実践に取り組み、その結果、多くの成果をあげることに成功しました。

 本論では、その経緯と取り組み内容を整理すると共に、今後定着していくと考えられるオンラインとオフラインを融合させた授業スタイルのひとつのモデルを提案することとします。


2.対面授業の代替ではなくオンラインだからできるサイバー社会論へ

 サイバー社会論は、関西学院大学総合政策学部*2で2011年に開講した授業(半期2単位)。
急速に進展するサイバー社会において、学生が仮想空間と現実空間の関係性を考察することを通して、グローカル*3な視点から新たな社会を生き抜く視座を得ることを目的としています。

 コロナ禍までの授業の構成は、能動的思考(positive thinking)、批判的思考(critical thinking)、論理的思考(logical thinking)を、グループ学習によるアクティブラーニング (active learning) *4で磨いていく手法です。
1.地域SNSのコミュニティに提供された、研究論文とオンデマンド教材*5による事前学習を行う
2.教員が論文に基づいた論点解説を対面授業で行う
3.教員が提示したテーマに関して、学生がグループに分かれてディスカッションを行う
4.グループでの討議の結果を発表し、考察を共有する
5.討議の内容をグループ報告として、地域SNSのコミュニティに提出する
6.学生は授業の振り返りをリフレクションとして、地域SNSのコミュニティに提出する
このようなプロセスを繰り返し、最後の3回でサイバー社会に関する「研究発表(予行演習)」「発表準備」「最終発表」を行うという流れになっています。

 円滑かつ効果的に授業の運営を支えていたのは、地域SNS「ひょこむ*6」に設置され、メンバー以外にはインターネット上から参照できないように設定された「内部公開コミュニティ」の仕組みでした。
ひょこむを利用したメリットは、
・学内関係者に利用が限定されている大学のLUNA(学内LMS*7)ではなく、安心安全な環境を確保しながらも外部人材と交流できる地域SNSを学習支援システムとして利用した
・ひょこむの通じて多くの社会人メンバーが、オンラインで学習のフォローアップを行った
・公開授業や研究発表などの機会に、社会人メンバーが実際の授業に参加して学生の指導にあたった
・対面で行うすべての授業に関与してくれる教育関係者がメンバーにいた
などがありました。

 完全オンラインでの実施には、対面授業の「論点解説」「グループディスカッション」「グループ発表」のプロセスを、オンラインツールで行う必要がありました。そこで、双方向ライブとオンライングループワークに対応できるWEB会議システム「zoom」に着目し、試行してみたところ、問題なく利用できることがわかりました。しかし、対面授業をオンラインに入れ替えるだけでは、大幅に不足する教員と学生、及び学生間のコミュニケーションを補完することはできません。

 オンライン授業で可能となるメリットを最大限に活かし、オンラインで発生するコミュニケーションロスを埋めるだけでなく、よりクオリティの高い授業モデルを実現して学生の学習成果を最大化することを、完全オンライン授業の目標としました。

*1 関西学院大学は、1932年に設置された私立の総合大学で、兵庫県西宮市の上ヶ原キャンパスに本部を置き、神戸三田キャンパス、西宮清和キャンパス、大阪梅田キャンパス、東京丸の内キャンパス、西宮北口キャンパスに、11学部10研究科を擁している

*2 神戸三田キャンパスの開設に伴い、理学部創設以来の8番目となる学部として、1995年4月に開設された。社会科学系、人文系、自然科学系、工学系からの様々な分野の教員を集め、国際的かつ学際的な学部の教員組織を構成する

*3 Glocalとは、グローバル(Global:地球規模の、世界規模の)とローカル(Local:地方の、地域的な)を掛け合わせた造語で、「地球規模の視野で考え、地域視点で行動する(Think globally, act locally)」という考え方

*4 学習者である生徒が受動的となってしまう授業を行うのではなく、能動的に学ぶことができるような授業を行う学習方法

*5 講義を録画したビデオ教材

*6 2006年から運用されている兵庫県エリアの地域SNS。https://hyocom.jp/

*7 MS(Learning Management System)は学習管理システムとも呼ばれ、インターネットやパソコン/スマートフォンで学習を行うeラーニングを実施する際のベースとなるシステム。多くのLMSでは受講者がログインして学習する受講機能、教員や管理者が受講履歴や成績管理を行う管理機能からなる。

(写真1) 関西学院大学神戸三田キャンパス
(写真2) サイバー社会論オンライン授業の様子

閲覧数62 カテゴリロンブン コメント2 投稿日時2020/09/12 06:49
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