父は若い頃から車が好きで、自分でいろんなパーツを自作して愛車を飾ったりしていました。 齢80歳半ばを迎えようとして、足腰がおぼつかなくなり、どうも認知症も進行しているようで、大好きなドライブもできなくなりました。 頭も身体も動きにくいのに、いつか運転したいという欲望だけは枯れず、まず乗れない愛車の売却をさせることにしました。 もちろん本人はイヤイヤですが、少しは理解していたようです。 次は免許の返納。 これは、免許更新の案内が届き、高齢者の特別講習に申し込んでいたのを忘れていたところから、絶好のチャンスが到来しました。 「免許を返納したら、講習も更新もしなくてよくなるよ」 そんな言葉を自分の都合の良いように理解して、「免許を返納したら永久ライセンスになる」と勘違いしていたようです。 一緒に姫路署の交通安全センターにゆき、手続きをすませて新しい写真が載った「運転経歴証明書」を手にするまで45分くらい。 担当の職員さんたちも、以前とは比べものにならないくらい親切でごきげん。 翌朝、顔を見に行くと、少し複雑な表情。 「この証明書では運転できない」と書いてあるとつぶやく。 ちゃんと説明しておいたのですが、年寄りがだまされやすいのがよくわかりました(笑) 車も免許もなくなって、とっても可哀想だけど、これで家族は安心です。 ちゃんとお世話しますから、我慢してね♪ |