今朝は冷え込んだので、体の中から温もるものとして「芋粥」をつくりました。 残りご飯を水で炊いたお粥(「入れお粥」と言う)にさつまいもを入れたものです。
ところで、芥川龍之介に「芋粥」という短篇があります。これは宇治拾遺物語を元に書かれたそうですから、芋粥は鎌倉時代前期には既に食べられていたはずですが、いま我々が食べているものとはよほど違ったものだったようで、芋が山芋であったこと(我が国にさつまいもが伝来する何百年も前のことだから)は書かれていますが、それ以上のことはこの小説では分かりません。 そこで、手持ちの宇治拾遺物語(日本古典文学大系・岩波書店)を引っ張り出して調べてみました。この本では、本文に出てくる重要な語句について「注」で説明されていますが、そこに「芋粥」がどんなものであったかが説明されていました。 それによると、山芋(たぶん自然薯)を薄く切って粥状になるまで炊いたもののようで、「甘葛(あまづら)」を加えるとも書いてあります。また、これは酒宴の最後に出されるものであったようです。 これで大体解りました。当時の芋粥は米と芋を一緒に炊いたものではなく、山芋だけを炊いたものだったのです。甘葛はよく分かりませんが、甘味料として使われたのではないかと思われます。 いちど、800年以上前に食べられていた芋粥の再現に挑戦してみようかな。 (^_-) |