週末、私にとっては初のロードレースとなる、 ANAニセコクラシックに出場してきました。 UCIグランフォンドワールドシリーズ大会で、 世界選手権(今年は伊Trento、来年は英Glasgow)の予選会を兼ね、 年代別上位20%に入れば世界選手権に出場できます。 150Kと85Kがあるのですが、50歳以上だとUCIレースは85Kなので、 85Kコース(1426m+)に出場しました。 もっとも、今年は55-59区分の最年長なので、上位進出は困難。 勝負は60-64区分に上がる来年。今年は下見を兼ねての出場です。 試走もしたいので、大会前々日から2泊3日で参加しました。 当初は単独でホテルを確保していましたが、 アンディ(安藤隼人コーチ)のスマートコーチングチームが、 ゴール近くのコンドミニアムを借りるというので、 そこに混ぜてもらうことに。 金曜日の9:00羽田発の便で出発。新千歳空港でレンタカーを借り (ワールドネットレンタカー/2泊3日7400円、ガス代3200円程度)、 会場のニセコ・グラン・ヒラフに向かいます。 支笏湖周辺の美笛峠が岩盤崩壊恐れで通行止めになっているため、 大回りせざるをえず、会場までは3時間近くかかります。 途中で昼食を食べ、14時半すぎに会場に到着。 検温後、体調チェック提出確認メールを見せて、受付を済ませます。 会場からは羊蹄山が綺麗に見えました。 会場至近のコンドミニアム「FreshPowder NISEKO」にチェックイン。 部屋のドアに電子錠がついていて、暗証番号で開けるタイプです。 荷物を置き自転車を組み立てた頃、アンディが函館から自走で到着。 夕食の買出しにいくというので、車の鍵を渡して、私は試走に出発。 15時半から自走でコース最高地点のKOMポイントまで行き、 そこからラスト25Kを試走。結構アップダウンが激しいなあ。 上り勾配も8%近くあるので、終盤は我慢の展開になりそうです。 そこまで何とか集団にくらいついていかないと。 18時前にコンドに戻ってきました。この日の宿泊は6名。 2名ずつ3部屋で、私はパイロットのAさんと同室になりました。 19時からアンディお手製の夏野菜カレーで夕食。 ホワイトアスパラのサラダも美味しかったです。 皆さんと缶ビール3本ほど飲んで、23時過ぎに就寝。 大会前日。この日はMさんがTT(タイムトライアル)に出場します。 Sさんは付き添いで一緒に出かけて行きました。 私を含む他の4人は朝食を食べて、7時半に自走で応援に出発。 TTは倶知安役場近くの14Kコースで開催されます。 会場までは迂回させられることもあって、片道16Kほど走りました。 スタート台から1人ずつ、30秒おきにスタートしていきます。 テレビで観たツール・ド・フランスのTTみたいでカッコいい! Mさん、無事に走りきりましたが、21'09"(Av39.14kph)で9位。 かなり不本意だったようで、 「何で3時間FTPと同じパワーしか出なかったのかなあ?」と、 しきりにボヤいていました。 帰りににわか雨に降られ、コンビニでちょっと雨宿り。 10時頃にコンドに戻ってきました。 この日からさらに5名が合流し、総勢11名に。 昼はお手製パスタ。1.5キロがあっという間になくなりました。 午後はTさんの大型車に6名が乗り、車で85Kコースの試走。 アンディやIさんがレース展開や危険個所を解説してくれます。 ポイントとしては、 1)整列は年代順だが、パレード走行中にガチ勢が前に上がってくる。 2)パレード走行後一気に速度が上がり、先頭集団が形成される。 ここに入れなかった場合には、最後尾から出るNON-UCI(若手)が 上がってくるので、これに合流して前に上がる手もある。 3)山道や橋、急カーブなど道が細くなるところなどでは、 集団が縦にのびるので、後方にいると千切れやすい。 そこまでにしっかりと前方に上がっておくことが重要。 4)KOMポイントまでの登りは10K超あって長いので、 無理なペースで入らず、しっかりとペーシングする。 5)数人前の選手の挙動などから路面が悪い箇所等を事前に予測する。 6)前の選手が自分を認識していなさそうな場合には、 声を出すかお尻を触るかして、後方にいることを認識させ、 急なライン変更を防ぐ。 といったあたりでしょうか。実践的で大変参考になりました。 試走から戻ったら、明日のレース準備。レース経験豊富なIさんが、 空気抵抗を減らすためゼッケンをジャージに両面テープで貼りつけ、 さらにそれを丸めてなじませる、という裏技を教えてくれました。 みなさん、ボトル2本持ちで、ツールケースは外すようですが、 私はツールケースはそのままで、ボトル1本だけ。 中身は水に濃縮イオン均衡液ALIVALを溶かしたものです。 補給も、2時間半ほどなので特に持たないことにしました。 チェーンを掃除して注油後、チェーンが内側に落ちてしまい、 これを直すため、チェーンやクランクまで外す羽目になりましたが、 なんとか復旧して一安心。 この日の夕食は18時から11名での合宿メシ。 メニューはサラダに生姜焼丼、それに1尾100円のホッケ焼きです。 ご飯はカーボローディングで、1人1合の大盛り。 さすがにビールは1本だけにしておきました。 翌朝が早いので20時半には床に就きましたが、 レース前日の緊張感もあって、なかなか寝つけませんでした。 レース当日は4時に起床。4時半から朝食。 自分でトーストを焼いて、好きなものを挟むサンドイッチです。 150Kコースはスタートとゴールが一緒なのですが、 85Kコースはスタートが23Kほど離れた蘭越町なので、 5:20にアップがてら自走で出発。 レースに出ないSさんがサポートカーで荷物を預かってくれます。 おかげで、スタート直前まで防寒着を着て補給食も食べられて、 とても助かりました。チーム参加はこういうところがいいですね。 服装は、アンダーに半袖ジャージ、アームカバー、二―ウォーマー。 スタート前までウィンブレを羽織っていましたが、 それほど寒くなくて助かりました。 結果的にニーウォーマーも要らなかったかもしれません。 6:15頃スタート地点に到着し、自転車を並べて場所を確保。 トイレを済ませた後は、バナナを食べたり、 会場でもらったアミノバイタルをちびちび飲んだりして、 7:30のスタートを待ちます。 いよいよスタート1分前となり、緊張感が高まったところで、 「5分遅らせます」とのアナウンス。 150Kの選手と途中で合流することもあり、そのレースの進行具合で、 85Kのスタート時間が調整されるのです。 7:35にパレード走行スタート。 橋を渡るまでは先導車がいるので、ゆっくりと進みますが、 後方から前方に上がろうと、端をすり抜けていく選手が多数。 橋を渡ってしばらくした7:41にリアルスタート。 先頭集団は一気に加速し、1.9K・5.7%の上りに入っていきます。 すごい勢いで上る先頭集団をみて、ここに合流するのは早々に諦め、 後ろからくるNON-UCIの集団を利用して前に上がる作戦に変更。 その時、私の一つ上のエイジ区分で私の後ろから出たIさんが、 スルスルっと前に上がっていくのを発見。 レース経験豊富なIさんの後ろについて走ることにします。 そのうち後ろからNON-UCIの集団が来て、大集団が形成されました。 日本海に出るまでの18Kほどは、ローテーションしながら進みます。 私も先頭に出た時はある程度牽きましたが、NON-UCIの選手が、 「牽かなくていいですよ」と言ってくれたので、 お言葉に甘えて、短時間牽いただけで勘弁してもらいました。 割とあっという間に20Kを通過。あまり後方に下がると、 25K過ぎからの細い山道で千切れる可能性があるので、 なるべく前方で走るように心がけます。 いつの間にかIさんより前に出ていました。 山道では、ところどころ路面が悪い所や急カーブがあるので、 とにかく落車しないよう、巻き込まれないように注意しました。 山道を終えて平地を高速巡行し、49K地点の先を曲がれば、 再びリアルスタート地点に戻ります。 ここから右折して、レースはいよいよ「三段坂」を擁する後半戦。 まずはKOMへの10.6K・5.9%の長い上りが始まります。 アンディとサポートのSさんが声援を送ってくれました。 上りでは、サイコンを確認しながら200wを目安に回します。 前半の5Kほどが7~8%と勾配がきついので、ここはじっくり我慢。 それほど集団から千切れる様子はなさそうなので、 ペーシングを心がけて上ります。 私は体重がそれほどないので、下りがどうしても遅れがち。 KOMの先の下りに入るときにしっかり集団の中にいられるよう、 後半、勾配が緩んだ辺りから徐々に出力を上げて前方へ上がります。 KOMまでを29'02"(Av21.9kph)で上り切り、下りに入ります。 60K過ぎからの7.7K・4.9%の下りは、60kph超のハイスピード集団走。 ブラインドコーナーもあって、過去に大きな落車も発生しています。 誰かが落車したらもらい落車必至ですが、運を天に任せて下ります。 下りきった68K過ぎから再び、3.9K・5.8%の二段目の上り。 上りに入ったところで、右足の太腿が攣りそうになりました。 これはマズいと、微妙に脚を緩めながら回復を待ちます。 幸い、集団と決定的に離れる前に回復したので、 また出力を上げて12'33"(Av18.7kph)で上り切り、 集団に合流して次の2K・2.9%の下りへ。 ここまでくれば残りは9Kほど。もう関門も時間内に通過したので、 走り切れるのは確信できましたが、最後、ゴールまでも上り基調。 試走の時にもここからが結構きつかったので、安心はできません。 幸い、一緒に走っている集団はNON-UCIの選手が中心で、 同じエイジの選手はいません。 だんだんと街中に入ってきて、残り距離が減ってきます。 ラスト4Kは4.1%の上り。最後まで苦しめられます。 残り1Kを切ったところで前方の同エイジの選手を2人抜きました。 左折してゴールへの最後の上りに入ります。 ダンシングして加速したいのですが、脚が思うようにならず、 とにかく上ハンでクルクル回すことしかできません。 泊まっているコンドの前を通過して左折。あと500m。 アンディがカメラを構えていて、 「しっかり顔あげて!」と応援してくれました。 (フォームのことかと思いきや、カメラ目線の指示だった模様w) 残り150mで右折。最後の上り坂で同エイジ1人に抜き返されました。 せっかく2人抜いたのに最後の最後で抜き返されたのは悔しいです。 まあ、でもとにかく落車せずに無事に完走することができました。 ゴール後は、トランスポンダ(計測チップ)を返却し、 筋肉修復のためアミノバイタルを飲みつつ、仲間を応援。 12時前には全員ゴールして、コンドで軽い昼食をとり、 シャワーを浴びて、輪行準備をして車で空港に向かいます。 15時にレンタカーを返却し、チェックインを済ませたら、 まるでテーマパークのような新千歳空港内にある、 北海道ラーメン道場の「札幌ラーメン 雪あかり」で、 味噌ラーメン+餃子+生ビールで一人打ち上げ。 17:05発の便で帰京し、自宅に着いたのは20:40。 ネットでリザルトを確認します。 タイムは2:35'41"60で、55-59区分では出走者73人中29位。 トップとの差は17'00"、世界選手権出場枠の15位との差は6'52"。 やはりローディーは速いです。 それでも、60-64区分だと、 私のタイムは世界選手権出場枠ギリギリの7位に相当します。 来年はいい勝負ができそうで、楽しみです。いい経験ができました。 走行距離 85K 走行時間 2:35'41"60(リアルスタートから) 累積標高 1426m+ TSS 210.4 ラップ(スタートから) 5K 10'39" 10K 18'52" 15K 25'50" 20K 33'53" 25K 41'04" 30K 50'46" 35K 58'51" 40K 1:06'57" 45K 1:15'06" 50K 1:23'23" 55K 1:38'33" 60K 1:50'39"(KOM) 65K 1:56'22" 70K 2:05'32" 75K 2:16'27" 80K 2:26'50" 85K 2:37'40" 86K 2:40'50"(GOAL) 55-59区分順位 29位/73人中 平均/最高パワー 194/522w(NP 194.5w) 平均/最高速度 32.0/65.1 kph 平均/最高心拍 165/187 bpm 平均/最高ケイデンス 86/123 rpm |