・「「一九〇五年、日露戦争当時は、わたくしはまだ学生でした。ちょうどカルカッタ大学に入学した時でしたが、わたくしは学生当時から平和主義者でしたが、それにもかかわらず、きょうは日本が旅順を落とした、きょうは奉天の会戦で大勝した、対馬海峡で東郷元帥がロシア艦隊を全滅させた、といっては、自分たちの国が勝ったようによろこんだものです。試験勉強も、そっちのけで、毎日ニュースにかじりつき、学校ではその話題でわきたっていました。先生も学生もよるとさわるとその話でもち切ったものです。日本の旗を手に、街頭行進をしたことさえありました。おなじアジアの同胞が、白人の侵略主義にはじめて勝利を得たというので……。まったくその当時のことは、いま考えてもおかしなほどでした。しかし考えてみると、わたくしたちが独立運動に情熱をもつようになったのは、じつにそのときからです。民族の誇りというか、自信というか、そうしたものが、日本が勝ったことによってはっきり目ざめてきたのです。ともかく、絶対に頭があがらないと思っていた白人に、はじめて有色人種が勝ったんですからね。インドをはじめ、アジア各地の独立運動は、ここからはじまったといってもいいくらいです」 (パール判事) https://x.com/111g0/status/1663797056203546626?s=61
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