この日記を見て、何年か前に古本で買った、高野太郎さんの書いた”大草原の吟遊詩人”と言う本を思い出して、読み直しています。
吟遊詩人と訳されることも多いのですがアルゼンチンやウルグアイなど南部に 根付いた文化です。現代のようにマスコミがなかった頃にはパジャドールが旅を しながら地方を巡り情報を集めまた情報を歌に乗せ伝えてました。牛の輸送など のアルバイトをすることもあったでしょう。そしてパジャドール同士が行き会ったら 即興歌問答をたたかわせました。テーマの提示や相手の問いかけに即興で詞 をつくり歌い、詰まったら勿論負けで聴衆も掛け声や拍手でたたかいぶりを讃え ました。作詞も歌も上手くパジャでも成績の良いパジャドールは皆の尊敬を集め 南米全土に名声を轟かせました。 偉大なパジャドールのひとりガビノ・エセイサは空の玄関、ブエノス・アイレスの 国際空港の名前になっています。彼は1858年2月3日にサンテルモ区で生ま れ1916年にフローレス区で亡くなってます。 本日のタンゴは、パジャドールが登場するタンゴの中から”La uruguayita Lucía ウルグワジータ ルシア / ウルグアイ娘ルシア”を選び出しました。ではエンリケ ・カンポスの歌でTodotangoから聴いてください。 http://www.todotango.com/spanish/download/player.as…tra&id=731 訳詩は「ゴタンの中庭」 http://www.kitanoit.com/~gotan89/cgi/gotan.cgi?act=…&title=940 でご覧ください。 なおこの歌の訳詩が表示されたページで、上方にある「ジャンルで検索」ボタンを クリックしてみてください。右方に「パジャドル」の一群があらわれますのでこれらの 歌詞を見てパジャドールを理解する助けとなさってください。このジャンルはタンゴ カブキから探戈楽人さまにお願いして最近設定してもらいました。 パジャドールの伝統は消えず続いており、Youtubeで検索すると150件あまり出て きます。例えばこれはホセ・クルベロというパジャドルが”ホセ・エルナンデス博物館 によせて”と題して即興詞を披露しているところです。 http://www.youtube.com/watch?v=g4BfOyvZGXc パジャドール同士のパジャではないのですが、ラッペロとの掛け合いが載ってます。 アップした人はコメントで「誇り高きパジャドールに対しスペイン語でのラッパー達は 恥ずかしいくらいにそぐわない」とパジャドールに軍配を挙げてます。 http://www.youtube.com/watch?v=BUxcMOQx-D4 |