12年前の阪神淡路大震災は、兵庫県で生きるわたしたちにひとりひとりとって、それぞれの生き方に影響を与える大きな衝撃でした。大切な家族を幸せな家庭から奪われた仲間たち、笑顔の挨拶が今生の別れとなってしまった親友たち、そして生活の基盤を無惨に破壊されてしまった隣人たち。忘れようにもぬぐいきれない悲惨な思い出がそこにあります。 しかし、わたしたちはみんなで支え合い、支えられながらもう一度立ち上がることができました。多くの人たちの善意のおかげで、災害を忘れ去るのではなく次の世代のために語り継ぐ勇気を持つこともできました。「頑張ろう、神戸!」は、今でも私達の大切なスローガンです。 時代は変わり、震災の教訓を活かして各地の小学校には、緊急避難所の看板と備蓄倉庫が備えられ、多くの人々は「参画と協働」という合い言葉の下、コミュニティの再生に積極的に取り組むようになりました。当時、必要な物資を手配するにも連絡手段もなく、ただひたすら支援を待った記憶は、携帯電話を使った動画通信ができる端末が普及するという画期的な変革を見せています。 しかし、今再度災害に見舞われたとき、私達は12年前の経験を十分に活かすことができるでしょうか。そこにはまだ、人の絆の復興という課題が残されているように思えます。地域SNSは、希薄化する地域の人の関係性を再度活性化するツールとして注目されています。 そこで、携帯電話による動画や画像を加えたコミュニケーションを実現できるようになったことをきっかけとして、あの思い出の1.17その日に、県下で実施される多くの追悼行事や各地の様子をリアルタイムにレポートし、自動的に集積することによって、地域SNSという仕組みが災害支援ツールとして役立つことを実証すべく、ひょこむは「1.17リアルタイムレポート」を実施します。 ひょこむのコミュニティに、県下各地から携帯電話で書き込まれるレポートは、整理された状態で即時的にメンバーに閲覧されます。いざ災害の際には、この仕組みがさまざまな情報共有のための結節点となり、被災地支援に貢献することでしょう。ひょこむでは、この仕組みを1.17後の平常的に活用することで、災害に備えていくこととしています。 「ひょこむ」は、住民相互の絆を回復しコミュニティ活動を支援する目的で開設された完全招待制の地域SNSプラットホームです。http://hyocom.jp/ |