本日のタンゴは”Whisky ウィスキー”を選び ました。”W”の文字で始まる言葉はスペイン語には無く、また”K”の文字が使われるのも外 来語だけです。元々が英語のウイスキーはダブルでこれら二文字が入っています。では Todotangonoにある音源で聴いてください。 http://www.todotango.com/spanish/download/player.asp?id=1373 聴きながら訳詞を「ゴタンの庭」でご覧ください。 http://www.kitanoit.com/~gotan89/cgi/gotan.cgi?act=…title=1871 酒場の片隅で強いアルコールをあおる男、忘れたい悲しみ、振り払いたい苦しみ...かた わらでもうひとりが慰める....簡潔ながら細やかな人情の交流を表わすこの詞を作ったの はエクトル・マルコという詩人で、彼は1987年の今日9月30日に亡くなっています。 彼が作ったタンゴはカルロス・ディ・サルリを代表格として、エドムンド・リベロ、チャルロ、アン ヘル・バルガスなどの歌手やリカルド・タントゥーリ、エンリケ・ロドリゲス、ミゲル・カロー、ペド ロ・ラウレンスといった演奏家がレパートリーにしています。アグスティン・マガルディとは大 親友でマルコのつくったバルス"Alma mía"をマガルディが録音したり、マガルディのギター 伴奏者が作曲したものにマルコが詞をつけたりしています。ガルデルとの関係は「ラジオ局 でたまたまスタジオが隣り合いになり知りあい、彼は私を好い歌手で好いタンゴ作家だと褒 めてくれ、頼まれて”芝をテーマにした”つまり競馬をテーマにした"Conscripción" というタ ンゴをつくったが直後渡仏して戻らず以降誰も取り上げないので忘れ去ってしまった」とマ ルコが語っています。エクトル・マルコは俳優でもありましたし歌手でもありましたが、一番好 きだった歌は喉を傷めまだ若い頃に止めてしまいました。上述のようにガルデルに褒められ たし、兵役を終えてラジオで歌いだした頃に大歌手チャルロが週に60ペソのところ、駆け出 しの彼に40ペソという高額が提示されたといいますからかなり評判の歌い手だったのは間 違いないようです。 |