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2006年09月03日(日) 
 先行研究を受けて、実証的に社会ネットワークの“小ささ”を明らかにしようとしたのが社会心理学者スタンリー・ミルグラム(Stanley Milgram)*13である。スモールワールドという現象は、ミルグラムが1967年にPsychology Today誌に『The small world problem』という論文によって提唱した「6次の隔たり(Six Degrees of Separation)」*14という概念から発展している。

 この概念は、社会において人間同士がどのように結ばれているのかを明らかにする概念で、6人の共通の知人の連鎖を介せば、世界中のすべての人間と間接的な知人関係を結べる、という考え方である。例えば、自分に10人の知人がいるとして、その知人にも10人の知人がいるとする。これを6回繰り返すと、自分には1000万人の間接的な知人がいることになる。ここで知人関係をそれぞれ20人だとすると、間接的に20の7乗つまり12億8000万人の知人が存在することになる。こうしたことから、昔から、少ない知り合い関係の連鎖で(つまり少ないホップで)世界中の人間すべてと間接的な友人関係を結べるのではないかといわれてきた。これを実際に実験で試したのがミルグラムである。

 ミルグラムは、人々をコミュニティに結びつけている複雑な人間関係の構図を捉えようとしていた。そのためにミルグラムは、カンザス州およびネブラスカ州の住人の中から無作為に抽出した300人に手紙を渡し、直接面識のないマサチューセッツ州ボストンの受取人まで届けるよう依頼した。このとき、受取人の正確な住所は与えられず、郵便ではなく知人(ファーストネームで呼ぶような親しい人)経由で転送するように指示し、何人の仲介者が必要かを調べた。最終的には、42通の手紙がボストンの友人のもとに届いた。なかには10ほどのリンクを必要としたものもあったが、結果としてリンクの平均値は5.5であった*15。この値は、カリンティが『鎖』で予見した数字に驚くほど近いものである。
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*13 1933-1984、イェール大学とペンシルバニア大学で教鞭をとった心理学者。イェール大学在職中に、スモール・ワールド現象(六次の隔たりの元になった概念)や権威に対する服従についての実験を行ったことで知られている。20世紀の最も重要な心理学者の一人に数えられるが、ニューヨークのクイーンズカレッジの学部を卒業の時には心理学を専攻していなかった。1960年ハーバード大学で社会科学でPh.Dを取得した。
*14 バラバシによると、ミルグラム自身は「6次の隔たり(Six Degrees of Separation)」という言葉は一度も使っておらず、劇作家のジョン・グレアが1991年に発表した作品のタイトルとして取り上げられ、一般的に知られるようになったという。
*15 当時京都大学教授であった木下冨雄も同様の実験を行い、九州から始めて「北海道の知り合いを紹介してください。もしいなければ、北海道に知り合いがいそうな人を紹介してください」と尋ねて何人目で北海道にたどり着くかを計測した。結果は平均で7人だった。

閲覧数4,048 カテゴリ日記 コメント1 投稿日時2006/09/03 08:21
公開範囲外部公開
コメント(1)
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  • 2006/09/03 10:55
    aoitoriさん
    へ~そうなんですね。すごく勉強になりました。
    ネットワークの力はすごいんですね。
    心理学は大好きなんです。
    次項有
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