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2009年02月10日(火) 
個性豊かな地域の文化を大切にしながら、地域開発グループなど住民による自発的な活動によって人の絆を強化しつつ、地域全体の元気を創出しているスウェーデンの事例に接すると、「金太郎飴」と表現されるように、固有の地域文化が希薄化して画一的地域社会の集合体として同質社会が形成されている日本の現状に憂鬱になる。日本から支えあいの地域共同体が姿を消しつつあるのは、決して日本国民が個人的に自立しているからではない。逆に、人間は自立するがゆえに連帯する。日本では個人が自立していなかったゆえにコミュニティが崩され、政府によって永年の中央集権体制が築かれたのである。

米国の心理学者アブラハム・マズローが唱えた学説に「欲求段階説」がある。人間の欲求は,5段階のピラミッドのようになっていて,底辺から始まって,1段階目の欲求が満たされると,1段階上の欲求を志すというものである。欲求段階説における5段階とは、
1.生理的欲求 生命維持のための食欲・性欲・睡眠欲等の本能的・根源的な欲求
2.安全の欲求 衣類・住居など、安定・安全な状態を得ようとする欲求
3.社会的欲求 集団に属したい、誰かに愛されたいといった欲求
4.自我の欲求 集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める欲求
5.自己実現の欲求 能力・可能性を発揮し、自己の成長を図ろうとする欲求

欲求段階説は、人間性心理学や動機づけの理論を進展させたと評価されているが、個人的見解あるいはごく限られた事例に基づいた人生哲学に過ぎず、普遍的な科学根拠や実証性を欠いているのではないかという批判もある。しかし、集団の中での個人の行動を段階的に説明するには大変判りやすい理論である。

第二次世界大戦後の福祉政策の充実によって、先進国では飢餓的貧困問題がほぼ解決し「生理的欲求」や「安全の欲求」という低次の欲求は充足された。そして段階的により高次の欲求が芽生え「社会的欲求」「自我の欲求」「自己実現の欲求」を満たそうと動き出す。この過程では、欠乏欲求を十分に満たした経験のある者は、欠乏欲求に対してある程度耐性を持つようになる。そして、一部の宗教者や哲学者、慈善活動家などのように、成長欲求実現のため欠乏欲求が満たされずとも活動できるようになるという。晩年にマズローは、「自己実現の欲求」のさらに高次に「自己超越の欲求」があるとした。そして、自己実現を果たした人の特徴として、客観的で正確な判断、自己受容と他者受容、純真で自然な自発性、創造性の発揮、民主的性格、文化に対する依存の低さ(文化の超越)、二元性の超越(利己的かつ利他的、理性的かつ本能的)などを挙げている。自己実現を果たした人は少なく、さらに自己超越に達する人は極めて少ない。本来「真の自立」といわれるのは、この段階に達した人たちのことであり、スウェーデンの地域開発グループの仕組みは、自立した人材を育成する地域の装置と呼んでも差し支えないと言える。

閲覧数3,166 カテゴリロンブン コメント13 投稿日時2009/02/10 05:26
公開範囲外部公開
コメント(13)
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  • 2009/02/10 08:35
    > aoitoriさん
    ここで「真の自立」をあげたのは、こたつ理論です..(^^v
    次項有
  • 2009/02/10 09:09
    マズローは世間的にはほぼ当たってます。おっしゃるとおり、宗教的、哲学的にはしっくりこない理論ですが。

    卵が先か鶏が先かみたいなコメントを書きますが、つまり意識かシステムか、個人として自律した社会がスウェーデンにはあって、日本にはないとして、私はそのシステムの違いに一番興味があります。
    スウェーデンは今では福祉国家の見本のように言われますが、国の地勢から見て分かるように、かつては日本と同じ楢山節考の国でした。
    それが2回の大戦を外交手腕で上手に免れ、資本の蓄積をヨーロッパの他の国よりいち早く達成できていたメリットがあります。

    また、地方分権が進み、高福祉高負担といいながら、その負担の多くは消費税として地方に歳入される。自治財源の地方分権化が高度に進んでいる。この点が日本と大きく異なる点だと思います。住民の目に見える形で、税が集められ行政が執行される。
    地方議会も日本と異なり、完全に実質的にオープンになっている。国会議員もコミューンの議員も同列の敬意が払われる。
    このようなシステムを作り上げなければ、生活の豊かさを感じられる国にはならないでしょう。

    ちなみに、サラリーマンは残業をせず、水商売という世界がなく、40歳にもなれば別荘かヨットを持つという生活の豊かさ、貯蓄をしなくても教育も医療も老後も心配しないという豊かさ。こういう社会に日本が変化することに、私は大筋で憧れています。
    アメリカといろいろな面で同盟関係にある日本には大変困難な課題ですが、人口の違いはあっても、日本にもできないことではないはず。まずは、国民合意を如何に得ていくかという仕組みづくりが必要ではないでしょうか。
    次項有
  • 2009/02/10 09:24
    > 本荘ケイさん
    > 人口の違いはあっても、日本にもできないことではないはず。

    こたつも同感です。

    > まずは、国民合意を如何に得ていくかという仕組みづくりが必要ではないでしょうか。

    ぼくの興味はここにあります。国民レベルの合意形成というのは、個人主義がゆきすぎた日本の現状からはなかなか難しいとは思いますが、地域コンセンサスの連携としての国民合意であれば可能性は低くないと感じます。この項で「真の自立」を立てているのも、そのあたりへの期待があるからこそです。
    次項有
  • 2009/02/10 13:02
    aoitoriさん
    > こたつねこさん

    へ~「真の自立」段階の理論、そうでしたか~
    卓見だと拝察します。
    次項有
  • 2009/02/10 14:42
    マズローの話は、アメリカでビジネススクール時代に初めて聞き、なるほど、、、と思った記憶があります。その後、いろんな修正された諸説があるようですが、これが一番わかりやすく説明しやすいですね。

    >らに自己超越に達する人は極めて少ない。

    少ないからこそピラミッド型になっているのだと思いますが、地域すべてが(または、すべての住民が)この域に達するのは難しそうですね。。。
    次項有
  • 2009/02/10 15:26
    > だ~さん
    > すべての住民がこの域に達するのは難しそうですね。。。

    きっと大変なことになるでしょうね~(笑)
    20%を目標に、5%から始めてみようと考えています。
    ひょこむは兵庫県の人口570万の0.1%弱。まだまだですね~(爆)
    次項有
  • 2009/02/10 20:09
    私も同時にすべての市民がとは思いません。

    またこういうのは組織とかいうのとも違うと思います。

    上意下達によくも悪くも慣らされているのですから
    自主的にってところが課題なんでしょうね。

    私は、多分、経験上から
    自ら動いた方が、早く進むって感じているから
    じっとしていられない感じです。
    評論家が実際には動かないことも
    次項有
  • 2009/02/11 04:49
    > デーヴ上田さん
    > 私は、多分、経験上から
    > 自ら動いた方が、早く進むって感じているから
    > じっとしていられない感じです。

    デーヴだけではありません。たいがいはそうですよ。ぼくの場合、「ネットディ」ではかっちゃん、地域SNSではこうりゅうびとさんという頼もしい相棒がきちんとアクセルとブレーキを調整してくれているので、なんとかバランスを取りながら進めてこれたと感謝しています。

    > 評論家が実際には動かないことも

    こんなことを叫ぶといろいろ差し障りがありますが、評論家も学識経験者(研究者)も現場を持っていない人たちの話は、もうほとんどアテにはなりません。少なからずおおむね「じゃま」ですね(笑)。現場としてそんな人たちが文句いえない実績をつくれるように努力しましょう♪
    次項有
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