1,438万kW/2,039万kW (03/29 20:55)
70%
■バックナンバー
■RSSフィード
RSS 1.0 RSS 2.0 Atom 1.0
■このブログのURL
https://hyocom.jp/blog/blog.php?key=89069
2009年05月25日(月) 

バッハ(ヨハン・セバスティアン=大バッハ)は、2人の妻との間に20人の子をもうけた。大変な子だくさんであったが、成人するまで育ったのは男子では11人のうち6人だけであった。当時の衛生・医療の状況を考えると無理かなぬことであろう。 


この6人の男子のうち、4人までが音楽家として後に名を残すこととなった。長男ヴィルヘルム・フリーデマン(1710~84)、次男カール・フィリップ・エマヌエル(1714~88)、七男のヨハン・クリストフ・フリードリッヒ(1732~95)、九男のヨハン・クリスティアン(1735~82)の4人である。


この4人の息子たちが300年近くたった現在、僕のような「普通の」音楽ファンにまで名を知られているというのは、父親の血を引いているとは言え大変なことである。

今では彼らの作品が演奏会で演奏されることはあまりないが、レコードとしてはかなりの数が出ているし、それが放送される機会も多い。


しかしよく考えてみると、これは「親の七光」ではないだろうか。

今朝もNHK FMの「バロックの森」という番組を聴いていたら、大バッハの作品とともにヴィルヘルム・フリーデマンとカール・フィリップ・エマヌエルの作品が放送されていたが、2人の息子の作品は聴いていて面白くも何ともない、凡庸な作品である。お父さんがあまりにも偉大すぎるからとも言えるが・・・。
僕は息子たちの作品の入ったCDを2,3枚持っているが、あまり聴くことはない。音楽史を研究している人にはそれなりの価値があるのだろうが・・・。

音楽史ということからすると、彼らの育った時代は、ちょうどバロックから古典派に移る過渡期であったという点で、彼らにとって不幸であった。しかし彼らがいたからこそ、ハイドンが古典派音楽を確立できたとも言えるし、あのモーツァルトも幼年時代に彼らから影響を受けたなかったら、後のモーツァルトはなかったかもしれない。

だから「バロックから古典派への橋渡し」という意味で、彼らの存在は高く評価されていいのかもしれない。これは「親の七光」でも何でもない。彼らは価値のある存在である。


というわけで、久しぶりにカール・フィリップ・エマヌエル(C.P.E.)の作品を聴いてみることにしよう。

 


閲覧数1,944 カテゴリ連載読物 コメント2 投稿日時2009/05/25 08:35
公開範囲外部公開
コメント(2)
時系列表示返信表示日付順
  • 2009/05/25 10:55
    オメメさん
    中学だか高校だかのときに、バッハの家系図と日本画の狩野家の家計を見たことがあります。
    自分の家の家系を調べてみると、小さな村の庄屋が最高で後は普通の百姓でした。
    祖先に学者も医者もいませんでしたから進路について迷ったことがあります。
    その後数年経って、バッハの家系はすごいので、彼の祖先の一人が住む町での演奏会には必ず招待されたそうです。ところが、バッハの家系であるにもかかわらず、演奏会の時にはとんでもない場面で拍手をしたり、静かな音楽の時に立ち上がってブラボ-と叫んだりしたそうです。
    私にとって、なにやら暗雲がはれたような気分になったことでした。

    次項有
  • 2009/05/25 11:39
    鉛筆jamjamさん
    > オメメさん

    すごい家系だからといって、必ずしもすごい子供が生まれるとは限らないということですね。

    モーツァルトのように、お父さんとは比較にならない天才が生まれることもあるし、オメメ先生のように、百姓の家系から突然変異で優秀なお医者さんが生まれることもありますから、家系図というのはあまり信用できませんね。(笑)
    次項有
  • 次項有コメントを送信
    閉じる
    名前 E-Mail
    URL:
■プロフィール
jamjamさん
[一言]
定年退職して20年経ちましたが、40年やってきた土木屋の根性は未だ…
■この日はどんな日
ほかの[ 05月25日 ]のブログは、
■最近のファイル
■最近のコメント
■最近の書き込み