あれ、あれ、カブキさんどこかのライブで、大変な変曲にあたってしまいましたかー・・。
私などはこれはえらい変曲だから、曲がわからない、というより、もともとの曲名を知らない、聴いたことが無い曲だ、と言うのはよくあります・・・。
タンゴ演奏を鑑賞する楽しみのひとつは楽団毎に工夫される変化に富んだ編曲です。 初めて聞く編曲の場合に大きく三つに分かれると思います。 ①聞いたとたん曲名がわかる②だんだん曲名が判ってくる③最後まで何だか分からない ①の代表格は言わずと知れたラ・クンパルシータですね。これはフィルポによる初演で 加えられた冒頭の三つの和音の力強さのせいであって、以降のどの楽団もこれを外せな くて演奏するからでしょう。 ②の代表格はガジョ・シエゴではないかと思います。時には何だこれはと思う編曲も ありますが概ね最後まで聴けます。 ③はプロ楽団ではめったにしない事ですが、崩してはいけない大事なフレーズを無視 して勝手な”和音転がし”をしている場合です。時には腹立たしくさえなります。 あまりのことに「ガルデルが怒って墓から出てきそう」と言ったこともありました。 結論として①は好い編曲②は時には楽しめる編曲③は論外ということです。 もうひとつの聴き方はバイラブレな演奏かあるいはカンタブレな演奏かという点でしょ う。私自身はダンスはしませんがバイラリン達はタンゴを聞きながら踊りをイメージし ているのであろうと推測します。道を歩きながらタンゴを鼻歌で歌い、タンゴで足を運 ぶのがポルテーニョでそんな人たちの演奏は格段に違います。 楽譜だけ追っかけてもタンゴの味を出すとかバイラブレにとかカンタブレにとか表現で きません。編曲に当たっては心の中で踊りながらあるいは歌いながらやってほしいもの です。 |