書き込み数は138件です。 | [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ... 14 ] | ◀▶ |
次の発表会に歌う予定をしていたSecretoはやめて代わりにBarrio de tangoを歌うことにした。 というのは予定しているもう一曲がモレス&コントゥルシのGricel、どちらの歌も妻子ある男の倫ならぬ恋を歌ったものなので一方を別のテーマに変えようと思ったからだ。 というわけでBarrio de tangoの対訳を行なうことにした。この歌のテーマはマンシの好むSur辺りの郷愁である。昨年の訪亜ではマンシの詩に挙げられるポンページャの辺りをたずねようとザッと下調べもして行ったのだが、かってのタンゴの街は現在はとても物騒なところだと知りタクシーでリアチュエロ川に架かるアルシーナ橋を眺 … [続きを読む] |
チキリンデバチン(Chiquilín de Bachín)に登場する少年を詩人オラシオフェレール(Horacio Ferrer)は"niño de mil años"と表現している。これは何のことだろう。 昨年BsAsを訪問した折にも経験しブログにもちょっとふれた( http://hyocom.jp/blog/blog.php?key=179443 )ように、極貧の人生を歩むチキリンはいたるところに居る。駅の混雑の中で、ホテルの前で、新聞を突き出し「ディアリオ!ディアリオ!」と叫ぶ子どもや足元に廻り込んで靴磨き箱を置く子どもを朝は何十人と見かける。その脇を純白の上っ張りを翻しピカピカの靴で足早に登校する子供たちもいる。昨日や今日現れた”格差社会”など … [続きを読む] |
差別に遭いウダツも上がらぬ南部イタリア移民の悲嘆を歌う「カンソネタ」、その始まりに出てくる一節「cruel malón de penas viejas」の”malón”という言葉は辞書では”インデオの急襲”となっている。Todotangoのルンファルド辞典でもこれに加えてサッカーの攻撃態勢みたいなことを書いてるだけ。カブキの解釈はこの言葉を”排他性”とし、この詩行を「かっての苦痛の数々が生んだ酷い排他性」としやっと納得できた。アルゼンチンの国民文学「マルティンフィエロ」に出てくるが、パンパに潜み白人達を襲い略奪したインデオにも共通する集団の排他性を指す言葉と解釈したのだ。 タン … [続きを読む] |
何処でしょう?箱根の山道じゃありませんよ。閉じたカーテンが透かす光だけが贅を尽くした部屋の中を浮かび上がらせる淡き光へどうぞ。 A media luz「淡き光に」 コリエンテス通りの348番地(コリエンテス通りは劇場やカフェが多い) 三階へはエレベータで(階はヨーロッパ風に数える) 門番は居ないしお隣さんも無し(つまりフロアー全部を専有) 部屋の中はカクテルと愛 楓仕上げの綺麗な部屋(「マプレ家具店調度品」という説もあるが...) ピアノにマットに台座(必需品のベッドかな?) ちゃんと通じる一台の電話(さすがお仕事柄備えてあります) 蓄音器が泣 … [続きを読む] |
高級娼婦の部屋を描写する人気タンゴA media luzの歌詞に”un telefón que contesta,"という奇妙な一節がある。直訳すると”応答する電話”だが、実は電話を持つことは亜国では永い間贅沢なステータスシンボルであったのだ。というのは電話が敷設された(1881年)直後からもう金さえ出せば他人のところからでも接続替えをするような闇行為が横行しはじめ、圧倒的に回線が不足する中、おそらくお金持ちは高い金を払い続けて回線を維持したのであろう。この状態は百年近く続き’78のワールドカップ開催時にやっとブエノスアイレスから整備の手がはいり現在は国中どこからでも自動発 … [続きを読む] |
自分が採り上げようと思う歌は必ず自分で訳詞をしてみる。納得できる解釈ができないと歌えないからだ。 新たに取りかかった歌には必ずといってよいほど分からないところがでてくる。 そしてその都度慣わしや歴史の知識ときに宗教心の理解も必要になる。私の場合は結局タンゴを通じてアルゼンチンが好きなのであって歌うが好きなわけではないのかも、歌はタンゴ好き魂の表出の一側面にすぎないのかも。 例えばその難解だった点を思い出すと、 A media luz:なぜ「通じる電話」などというのか Canzoneta:突然出てくる「インデオの襲撃」とは何ぞや Chiquilin de Bachin:「千年の男の子 … [続きを読む] |
目下、NHK文化C神戸「秋の発表会」に向けて準備中である。まずは出演者の応募受付で6月23日を一応の期限のところ皆さん曲目をなかなか決められないのか賛助出演を併せても予定のまだ8割方の人数である。なにしろ過去10年余に教室で採り上げた曲目は100をゆうに超える。迷ってあたりまえであろう。私自身はいつも皆さんが決めたあとに選曲しているがそろそろ決めないと練習目標も定まらない。過去は「ガルデルもの+黄金の40年代もの」という考えで決めてきて今年は後者は昨年のコントゥルシ=モーレスのCristalを時間上遡りGriselでゆこうと決 … [続きを読む] |
かねてからクラッシックマイクロフォンには一種の憧れを抱いていた。遂にそれを手に入れテストはしたが未だ使っていない。秋の発表会では披露したいと思ってそのチラシ用に写真を撮った。一緒にゴテゴテと配置してあるのはドレーゴ広場の蚤の市で手に入れた帽子、やっと探し当てたリコルディーの店で買ったガルデル楽譜集、そして我が庭に咲いた小さなバラである。こうして眺めるとやはり骸骨マイクがグッと迫ってくるように感じるのは己が贔屓目のせいか。 このチラシで沢山の観客を誘えれば嬉しいのだが。 NHK文化C神戸「タンゴを歌おう」クラスの第八回発表会は1 … [続きを読む] |
先日あるコンサート会場のロビーでタンゴ歌いの仲間と出会ったので立ち話をしていたときに、ひとりが「R(rr)の発音が何年経っても出来ない」とこぼしだしたのです。「やって見せて」とすぐ傍で観察してみると何だか舌先を動かそうとしていることに気づきました。「そうじゃない、舌先には力を入れないで喉の奥から出てくる声に靡かせるようなあるいははためかせるようなつもりでしてごらん」と言ったところ「出来た!生まれて初めて!嬉しい!」と周りのひとが皆振り向いたくらいの歓声を挙げました。私もアドバイスが役だって嬉しく思いました。 以前から私はいわゆ … [続きを読む] |
[ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ... 14 ] | ◀▶ |