日本の最古の通貨である和同開珎よりも古いと考えられる富本銭 というのがあるそうだ。發掘された年代から見て、どうも和同開 珎よりも古い物らしいとのことだ。 この写真を見ると、丸い銭の中に四角い穴が開いている。 実は中国の西安に行ったときにそこの博物館で、同じような銭 を見たことがある。 この富本銭の材料は胴とアンチモンの合金でこの合金のル-ツを たどると、カフカス(コ-カサス)地方で作られていたカフカス・ ブロンズが元だろうとのことだ。 そうなると西安のものも同じような合金だったのだろうか。 この丸い銭に四角い穴に対する見方が日本と中国では違うのに 少し興味があった。それは中国では天は丸く、地は四角いと考え られていて、近くにある永代公主の墓も丸い天井に床が四角く なっていました。 日本の冶金学などの学者の見方はこれと少し変わっていて、こ の合金を鋳型に入れて銭を作るときに、鋳型からはみ出るバリ を四角い棒の間に何枚も重ねて、クルクルと回して、取るため にそういう形になるという。 きわめて合理的な考えだが、この銭の形が中国も同じで、銅と アンチモンの合金というのもなにやら夢を駆り立てる。 ラ-メンの起源を探っていたときに、コムギの原産がコ-カサ スの一部にあると知っていたから、銭もラ-メンもここからの 物だとしたら、なんと多くの恩恵を受けているのか。 |