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2008年09月14日(日) 
本を読めば、先達の歩いた道を、駆け足で駆け抜けられるのに、
私たちは、なかなか、本を読まない。

(1) 跳び箱指導

 斎藤喜博 先生のあと、向山洋一 先生が、
 『跳び箱は誰でも跳ばせられる』 1982/3/1 28版
 http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/shosai.html?ban…257112%2D6

 を書いているので、

「跳び箱指導」 はどの先生でもできて当然のはずだが、現実はそうではない。


(2) 特別支援教育 (障害児教育)

わたしも、『向山洋一は障害児教育にどう取り組んだか』 2000/11/1 9版
http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/shosai.html?ban…037314%2D9

を読むまで、

『石に咲く花』 田村 一二 著 教育図書 1942年、のち北大路書房から 1989年
を知らなかった。
http://www.7andy.jp/books/search_result/-/writer/%E…F%E8%91%97
http://kenguwaraku.cocolog-nifty.com/1212/2005/05/p…_edc3.html


昭和18年から20年に書かれたものです。(つまり戦前です。)
勘吉は下の文章中では、特別学級の小学1年生

-------------- ここから -----------------

「メという字はな、こう書くんだ、いいか」
十ぺんくらい手を持って書かせてみて、 どうやら筆順を覚えた。しまいには、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(下線 Rimbaud)

三平の手が、ほんの形だけ添えられているだけであるのに、勘吉の手は自分の力で、
鉛筆をその方向に動かそうとした。

今度は、黒板の前へつれて行って、チョークを持たせ、大きな「メ」の字をいくつもいくつも
手を持って書かせた。そうして、はっきりと筆順を覚え込ませた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(下線 Rimbaud)

次に黒板に、うすくメの字を書いた上を、なでさせた。勘吉はふうふう言いながら
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(下線 Rimbaud)

鼻の頭に汗をいっぱいかいて、先生の書いた線から逸れぬように注意して書いた。初
めの問は何度も脱線したが、それでも、十何べんもやっているうちには、どうやら大体
線の上をなでられるようになった。

次は、ノートに青鉛筆で「メメメ……」と、いっぱいメの字をうすく書いてやった。
その上から鉛筆でなでさせるのである。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(下線 Rimbaud)

この方は案外早く上手に書くようになった。
--こいつ、手先はわりに器用だな -- と、三平は見てとった。
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(下線 Rimbaud)


-------------- ここまで -----------------

勘吉が、「手先はわりに器用だな」 となっていなければ、
チョークや鉛筆をもたせないで、「文字指導を行う」 のが現代の常識である。

(微細運動 (fine motor) 障害 への配慮)

しかし、それにしても、戦前に、すでに、これだけのことを、自分で考えて
指導していたことに驚かざるを得ない。
そして、活字として後世に残してくれたことに。


(3) 「あかねこ漢字スキル」 光村教育図書
 http://www.mitsumura-kyouiku.co.jp/shohin/shogaku/0…dex_a6.htm
 は、

 ① 指書き
 ② なぞり書き
 ③ 写し書き

 を明確にシステム化した、漢字ワークだ。

 AD/HD、LD、高機能自閉症、アスペルガー症候群…のお子さんには、
 指先の不器用な(微細運動障害)ことが多い。
 鉛筆を持って、何回も何回も、小さなマス目の中に漢字を書いて覚えるというのは、
 指先の不器用な(微細運動障害)子どもには、虐待のようなものだ。
 だから、鉛筆を持たずに、「指書き」 で何回も書いて覚えるのである。

閲覧数1,529 カテゴリ障がいと教育 コメント0 投稿日時2008/09/14 20:27
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