偶然に開始され、膨大な時間をかけて進行していることがある。
それは現れてしまうまでは、だれの目にもふれない無言の変化である。
しかし変化しないものはない。
この世界にあることすべてが変化の途上の姿なのである。
つまりこの世界には変化しかない。
私たちが目的と呼ぶようなことをもって生きているものはいない。
なぜなら、もし生き物に起こる変化が、あらかじめなんらかの方向に傾いていたら、
自然が行う選択はその創造性を奪われてしまう。
自然に起こる変化は「ただ変わる」とでも言うしかないことだ。
だからこそ自然なのだ。
「アフォーダンス入門」佐々木正人
講談社学術文庫より