いかにして脳が構築しようとする因果律を止めてやるか、 技を使うときには、ある独特の「考えない状態」になることをめざしている。 ---中略--- だからといって、何かをやることはやるわけですから、 まったく無意識というわけには行かない。 潜在的にはよくよく理解しているんですが、意識的にはそれが上がってこないという、 言葉にするとものすごく不思議な構造に頭が働くような訓練をしているとも言えます。 ---中略--- そう言う同時並列的な技を、 時系列順にしか働かない言葉にたくそうとすることには根本的に無理があるわけで、 それをとにかく言葉にしようとすると、 本来は精妙であった技が貧弱なものにやせ衰えてしまう。 つまり、現に起きている現象より論文に書きやすい限定化された事象を歓迎するという、 本末転倒なことが常態化してしまっているのでしょう。 |