想像力をかき立てるように作られたイメージであれば、
知覚のメカニズムを刺激し、
無意識を活性化し、
思考を方向づけ、
感情を昂ぶらせる。
イメージにはいくぶん音楽に似たところがある。
即座に直接効果をおよぼし、言葉の壁をものともせず、
なにか別な表象に変換する必要もなく楽しめるのだ。
そんな性格を持つイメージは、同時にあらゆる場所に伝達され、
今や一つの村となったこの世界でわれわれにささやきかけ、
われわれを平均化し同質化していく。
急速にいたるところに広まっていくイメージは、
我々を個人、社会、文化とあらゆるレベルで条件付ける。
われわれは、そうした条件づけになんの抵抗もなく順応していく。
そうして順応していきながら、
われわれは自分が無防備で、
それに対してなんの用意もできていないことに気付きすらしない。
「イメージの現象学」G・カリオーティ より
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