人の意識には閉じられた思いこみのアジール(Asyl)のようなものがあって、頑固なバリアが張られている。 そこはアイデンティティーを擁護し強化するためのオーチスティック(autistic)な聖域だ。 それが良いことか悪いことかを問うても甲斐のないことだ。 その様な錯誤もまた人の生存にとっては欠くことのできない真実であり、人を強くもし弱くもしている。 誰も皆、似たような領域を持っているのだ。 開くなら開いたでいいし、開かないなら開かないでもいいのだ。 どちらにしても無数の思い込みがカオティックに複雑(complex)に絡み合い、全体としては意味ありげな社会という絵模様を浮かび上がらせているだけのことだ。 なにも特別なことが起こっているわけではない。 最悪でもせいぜいこの小さな星の環境をほんの少し変化させていくつかの種と自分たちを絶滅させるくらいだろう。 そんなことはすでに何度も起こっている。 人の思いこみが宇宙を消滅させるワケもないだろうが、万が一宇宙を消滅させたとしても困る者は誰もいないのだから。
◎用語解説
●Asyl:アジールあるいはアサイラム(独: Asyl、仏: asile、英: asylum)は「聖域」「自由領域」「避難所」「無縁所」などとも呼ばれる特殊なエリアのことを意味する。ギリシア語の「ἄσυλον(asulon:侵すことのできない、神聖な場所の意)」を語源とする。具体的には、おおむね「統治権力が及ばない地域」ということになる。現代の法制度の中で近いものを探せば「治外法権(が認められた場所)」のようなものである。by FreshEyePedia ●autistic:内閉性,自閉性.[ドイツ語Autismus←ギリシャ語(AUTO-+ISM)] ●complex:理解あるいは処置しにくいほど錯綜した,もつれた |