川止めで、木賃宿に逗留し、足止めを食っている若き侍、伊藤七十郎。 藩で一番の臆病者と言われる男が、斬れと命じられた相手は、派閥争いの渦中にある家老。家老が江戸から国に入る前を討つ。すでに対岸まで来ているはずだ。 川明けを待つ間、思いもかけぬ市井の人々との触れ合い、さらには降って湧いたような災難が続き、気弱な七十郎の心は千々に乱れるが......。 ひとびとのためにやると決意したのだ、と自分を叱咤した。たとえ、歯が立たない相手であっても、どんなにみっともない結果になろうとも、全力を尽くすのみだ。 七十郎は叫びながら刀を抜いた。「それがしは刺客でござる」。 (「BOOK」データベースより ) 七十郎さんのファンになりました。シリーズ化されないかなぁ。 葉室 麟さんの本も読み倒してみたくなりました。 |