書き込み数は3件です。 | ◀▶ |
3月18日、南氷洋捕鯨から帰国途中の日本水産の鯨油輸送タンカー玉栄丸が、第三図南丸を曳航するためトラック島に到着しました。トラック島は、周囲200キロの環礁のなかに点在する島の一つです。 第三図南丸は環礁の北東水道を通り、太平洋に出ました。トラック島から日本までは3700キロあります。日本の保険会社は、第三図南丸の曳航は困難と判断し、保険を引き受けようとしませんでした。日本水産は無保険での曳航を決意しますが、米国の保険会社AIUが保険引き受けを申し出て、保険契約を結ぶことができました。 写真は、玉栄丸に曳かれて環礁北東の水道を通過する図南 … [続きを読む] |
浮揚作業は、規模の大きさ、工事の難しさから世界の注目を集めるなかで進められ、3月3日、作業班は図南丸の完全浮揚に成功、播磨造船所に打電しました。陸上の施設に頼ることなく、海上作業だけで浮揚に成功したことは、高い評価を受けました。6年間海面下にあったにもかかわらず、英国アームストロング社製の鋼板で作られた船体の損耗は、攻撃を受けた部分を除くと軽微であったといわれています。 写真は浮上した図南丸 鯨の搬入口に人が二人立っています。(写真提供 日本水産) |
昭和25年10月21日、トラック島での浮揚作業が始まりました。GHQの指示で、陸上からの作業が禁止されていましたので、サルベージ船と浮力タンクによって作業を進めます。海水を排水して浮力を増しながら、転覆している船体を引き起こします。 上の写真は、第二回の引き起こし作業。左舷の鯨油タンクの空気を抜き、右舷のタンクに圧縮空気を送って、船体を引き起こしていきます。(写真提供 日本水産) 下の写真は、浮上した図南丸の甲板。空襲による被害と、転覆して海底に沈んだ衝撃で上部構造物が損傷しています。(写真提供 IHI) |
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