7月27日に、相生青年会議所の「ONE PIECE」という催しがあり、そのなかに「相生の歴史話」というプログラムが入っています。 誰か話してくれる人はいませんかねえ?という話がありましたが、(私は昨年三回も講演をして疲れていたこともあり)どうしても誰もいなければお手伝いしましょうかと答えていたところ、やはりというか何というか、お願いされてしまうことになりました。 ポスターを見ると「相生の海船話 へー そうなんだ というお話が聞けるかも」という内容になっています。 そして、図南丸の出航の写真がポスターに。 ということからして、相生で建造された船で「へー そうなんだ」にすればよかろうか と、巡洋艦甯海 捕鯨母船図南丸 油槽船日章丸の三題話のパワーポイントを作りました。 日章丸は、今年のベストセラー「海賊とよばれた男」のモデル出光佐三がイランに派遣したタンカーです。講演で触れるのであれば、小説も読んでおこうとしたところ、表紙に進水式の写真が載っています。 船には「日章丸」の文字があるのですが、播磨造船所の進水式とは異なる雰囲気がします。そこで、1951年に進水した日章丸の進水記念絵葉書に同封されている出光興産の絵葉書と表紙の写真を比べるとやはり違う写真です。 では、本の表紙の進水式はいつのものか、と思いながら小説を読んでいくと、上巻の340ページに、ドイツがポーランドに侵攻したのだ・・・国岡商店の念願であったタンカーが完成したのはまさにその頃だった。鉄造はこれに日章丸と名付けた」という文章がありました。 表紙の写真の日章丸は、第二次世界大戦勃発(1939年)に進水した初代日章丸のようです。イランにいったのは、播磨造船が建造した二代日章丸。 小説の表紙ですからそれほど気にすることもないのですが、読者がこの日章丸がイランに石油を取りにいった日章丸かと思いこむとすれば、読者は錯覚することになりますね。 ということで、「海賊とよばれた男」の日章丸は、相生で建造されたんだよ」「ヘェー!」「でも、小説の表紙に載っている日章丸はイランにいった日章丸じゃないんだよ」「ヘェー!」「でもでも、小説はフィクションだから、これでも良いんだね。歴史はノンフィクションだから、これではだめだけどね」「ヘェー!」という話を一つ作ってみました。 |