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2016年08月15日(月) 
(21:15 追記)
 終戦の日の15日、天皇陛下は皇后さまと全国戦没者追悼式に臨み、去年に続き「深い反省」という言葉を盛り込んで、お言葉を述べられた。註1
 私は、このお言葉が、日本人の気持ちを素直に表していると思う。
 一方、中国国営新華社通信は15日、東京で開かれた全国戦没者追悼式に関して「天皇と首相の態度に大きな相違」と題した記事を配信した。天皇陛下がお言葉で「深い反省」に触れられたことを挙げた上で、「安倍晋三首相は式辞で、歴代首相が述べてきた深い反省と加害についてまったく言及しなかった」と不満を示した、という。註2
 私も、首相は「深い反省と加害」について触れるべきであったとは思うが、このような考え方しかできない人物が大多数の国民の支持を集めているのは何故かを、習近平主席は考えるべきだとも思う。中国国内の政権に対する不平不満をそらすために、意図的に日本を悪者に仕立てている。習主席のそうしたやり方が安倍政権にとって追い風になっていることを知るべきだろう。

・註1:全国戦没者追悼式 天皇陛下 ことしもお言葉で「深い反省」 8月15日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160815/k100106364…91000.html
・註2:中国報道、安倍首相に不満「反省と加害に言及せず」 「天皇と首相に大きな相違」とも 産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/160815/wor16081500…26-n1.html

(以下 元の文章)
 国民の皆さま、戦没者に対し、それぞれの職場やご家庭などで正午から1分間の黙とうをお願いいたします。(厚生労働省)

 黙とうの前の安倍総理大臣の式辞と、黙とう後の天皇陛下のおことばが待たれる。

・全国戦没者追悼式の開催(8/15(木)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000014444.html

(以下 11:35 追記)
 漫画が掲載されていた手塚治虫さんのエッセイ。

 ラジオが、ぼそぼそと喋(しゃべ)りだした。どうも陛下のお声らしい。
「どうせまた国民総決起の詔勅(しょうちょく)だろう」
 と、半分聞きながら漫画を描いていた。本土決戦は誰の目にもあきらかだったので、たぶん、一億玉砕の覚悟をうながす特別放送だと思っていた。どうも様子が変だ。だいいち、それまで上空を舞っていた偵察機の爆音が聞こえない。音楽が鳴り始めたのだが、勇壮な軍歌調でない。
 家の外で話し声がする。
「戦争が終わったんですって」
「まあ、ほんと」
 ゲッとなって、ラジオを大きくした。
 ——敗戦だ!——
 ——終わったんだ、終わったんだ——
 ぼくは、とっさに、こりゃ、もしかしたら漫画家になれるかもしれんぞ、と思った。

(中略)

 八月十五日の夜、ぼくは夢遊病者のように電車に乗って大阪へ出ていった。とにかく動いていないとたまらなかったのである。車内はがらんとして幽霊電車のように空虚であった。
「おお、大阪の街に灯がついている!」
 ついているのだ、魚の目玉ほどの灯があちこちに!
 H百貨店のシャンデリアが、はげ落ちた壁の間で、目も眩(くら)むばかりに輝いている。何年振りだろう、灯火管制がとかれたのは? その灯を見ていたら、はじめて平和になったのだという気分がこみ上げてきて、満足このうえなく、踊り狂わんばかりに陽気になった。
 ——ヒャア、おれは生き残ったんだ。幸福だ——

講談社版手塚治虫漫画全集『手塚治虫エッセイ集 1』より
(初出:1969年毎日新聞社刊『ぼくはマンガ家』)

・玉音放送の口語訳全文と音声【終戦の日】 昭和20年(1945年)8月15日
http://matome.naver.jp/odai/2131332556551988801

・天皇の終戦記念日のお言葉 首相に対し厳しいものにとご学友 2015.07.28 07:00 Ads by Yahoo! JAPAN
http://www.news-postseven.com/archives/20150728_338222.html
・終戦記念日の靖国神社周辺 「テレビが映さない光景」2013年8月16 水島宏明
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20…-00027308/

◇MEMO
・シン・ゴジラに出てくる日本人はファンタジー 古谷有希子 2016年8月14日
http://bylines.news.yahoo.co.jp/furuyayukiko/201608…-00061097/
・ロッキード事件の闇が晴れない日本政治の不幸(上)「総理の犯罪」の衝撃 2016年08月14日 田中良紹 BLOGOS
http://blogos.com/article/186946/

◇MEMO
・我が体験、平和と和解を語り継ぐ(2)雨宮剛(青山学院大学名誉教授) 明日への言葉 2014年8月12日火曜日
http://asuhenokotoba.blogspot.jp/2014/08/2_12.html
・亡くなった元BC級戦犯・飯田進さんが残した魂の文章国内 社会 2016年10月14日 https://www.dailyshincho.jp/article/2016/10141900/?all=1

閲覧数1,112 カテゴリ日記 コメント11 投稿日時2016/08/15 10:47
公開範囲外部公開
コメント(11)
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  • 2016/08/16 23:10
    zosanさん
    反省は必要ですが、同じことを何度も何度も言いう必要はないと思います。
    2回目からは自分の肝に銘ずれば良いと思います。

    毎年<反省>を表明するからそれを良いことにして増長する連中が後を絶たないのだと思います。
    ただ、今回は天皇陛下だったので奴らにも遠慮が有ったと見えて突っかかって来てはいないようですが。。。
    次項有
  • 2016/08/17 07:18
    > zosanさん

     中国や韓国は政治と社会の事情が絡んでいると思われます。国内の不満の矛先を外に向ける。戦前、戦中の日本がそうでした。「鬼畜英米」などのスローガンで、国民の無知に乗じてイギリスやアメリカに対する憎悪を煽った。中韓を批判する前に、日本も同じ事をやってきたんだ、と思い起こすことが大切だと思います。
     責任は、自らの無能を排外主義で覆い隠そうとする指導者にあります。

     今上陛下は、日本が関与したこれまでの戦争が、すべて、「天皇」の名のもとに遂行されてきたことに心を痛めておられます。
     兵たちは「天皇陛下のご命令」で戦場に送られ、「天皇陛下万歳」を叫んで突撃し、「皇軍」は大陸で、しばしば、理不尽な振る舞いに出て、住民たちを苦しめたのですから。
     その責任は天皇の権威を悪用した軍閥にあります。そして、それを許した日本国民にも。
     そうした歴史的な背景を踏まえた今上天皇の追悼式での「おことば」には誠意が感じられました。
    次項有
  • 2016/08/17 11:11
    zosanさん
    > 南富士の寅次郎さん
    仰ることは良く分かりますが、それでも謝るのは1回でいいと思います、誠意ある謝罪なら。。。
    次項有
  • 2016/08/17 14:53
    > zosanさん
    > 誠意ある謝罪

    かどうかは被害者が決めることでは。それと、被害者は国家ではなくて国民です。日本国は自国民と同時に、日本が引き起こした戦争のために苦しんだ人々すべてに謝罪し、慰霊を続けるべきです。私は、習主席が何を言って来ようと気にしませんが、中国の一般市民がどう思っているかは気にかかります。そして、もし、どこかで個人的に知り合った中国の方で、ご両親や親しかった方に被害をこうむったということを知ったなら、自分たちの親の世代の蛮行を「深い反省」とともにお詫びしたいと思います。
    次項有
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