「とらわれ行動」という言い方を聞いたとき、 なるほど! と思ったことを覚えている。 自閉症という障害特性が、 彼/彼女 にその行動を させてしまう という見方だ。 例えば、知的養護の小学部、 (1)簡単な分類(色・形)ができる自閉症児に、 時々、混ぜご飯の具だけを 「箸ぞうくん」という箸でつまんで 食べていく子どもがいたりする。 (給食の時間は無制限ではないので、これでは 時間内に食べ終わらない。) (2)簡単な型はめ、マッチングの課題のできる自閉症児に、 時々、友達の耳の穴に指を入れようとする子どもが いたりする。 (これをされて、喜ぶ友達は普通いない。) これらの「とらわれ行動」は、社会的には望ましくないので 「望ましい行動」を教えて、ほめてを繰り返して 定着させることになる。 (1)の一つの対処は、スプーンを使って食べさせる。 (2)は、「知的養護の小学部」なので、 向山洋一氏の「授業の原則十ヶ条」 「第一条 趣意説明 の原則」 は使えない。 「環境設定」で隣の友達に手が届かない位置に座らせる。 好きな遊びをぱっとやめて、着替えに出かけるなどの 新S-M社会生活能力検査で言う「自己統制」の力を鍛えて いき、それから、「禁止」を少しずつ教えていくのかな。 (1)も(2)も、「HACプログラム」の http://homepage2.nifty.com/hac2001/sub03.html A課題、B課題、C課題ができるようになっていないと 対処できないかもしれない。 「HACプログラム」のA課題、B課題、C課題は、 斉藤 宇開 氏の「自閉症教育の7つのキーポイント」 で言えば、 ・学習する態勢になる力 ・指示に応じる、指示を理解できる力 ・自己を管理する、調整する力 に相当するはずだ。 |