制作中は無心になるとか、ならないととか。 そんなのとんでもない! おそらく端で見ていると制作に没入しているふうにも見えるかも知れない。 だが、私の頭の中は思念の渦が---あるいは妄念の渦が---ゴウゴウと渦巻いているのだ。
「だから君はダメなんだ」なんて言わないでくれたまえ。 まあ、道を極めた(極まっちゃった)人はそうなのかも知れないが、私の道は死んでも極まりそうにないし、極まるような道なら歩まない。 私の道は無窮なのだ。 「無心」なんて言うと素人さんが喜ぶのは知っている。 素人さんを喜ばすのに精を出す作家は多い。 私はハナから〝悪しきゲーム〟なんて参加するつもりはないのだから。 〝悪しきゲーム〟とは最初からルールが決められてあるようなゲームのことだ。 私は私だけの理由で制作し、私だけの道を歩みたいだけなのだ。 道がどこへ続くかと問う必要はない。 ひたすら進めばよいのだ。
そんなわけで制作中の私の頭の中はありとある言葉の、思念の、妄念の渦なワケだ。 一見深そうなこと一見浅そうなこと、意味ありそうなこと意味なさそうなこと、美しそうな言葉美しくなさそうな言葉、とりとめのない言葉とりとめのある言葉、くだらないことのぼらないこと…etcetc、 そんな言葉がポロリ・タラリ・ピロリ 無心 に出てくるのだなあ。
この「ポロリ・タラリ・ピロリ」では、制作中の妄念の渦巻から無心に浮かびあがってくる流木や海草やプラスチックゴミみたいな言葉たちを、ボチボチと書き留めてみようかな。 おもしろいかもしれないしおもしろくないかもしれない。 つまらないかも知れないしつまるかも知れない。 どうでも良いかも知れないしどうでも悪いかも知れない。 骨折り損かも知れないし骨折れず得かも知れない。 期待しない方が良いかも知れないし期待する方が悪いかも知れない。 まあそんなワケなのだよ。 だから読みたまえ。
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