ギリシャでは職場に行かなくても、死んでも給料がもらえる上、年金が相続できるって・・・・
良い国ですね、もしこれで破たんしなかったらそれこそ楽園・・・。移民が殺到。
私も行きたい。。。
毎年4月には、夫の業界の集まりがオーストリアである。何せ小国だからこの国単独では参加者が限られるため、ドイツ人の参加をいつも呼びかけており、オーストリアの方が景色もきれいで楽しく、すべてにわたって「エレガント」なので、ドイツ業界単独のイベントはパスしてもこちらに来るドイツ人が多い。 わが亭主もその一人で、春のオーストリアに旅する口実があるのを喜んでいる。 ただ、今年は昨年・一昨年より10日-2週間早くて肌寒い上に、天気には恵まれなかった。 オーストリアでも東部だと車ではちょっと遠すぎて航空機になるが、恒例の集まりはなぜか(ドイツ人の便宜を図ってであろうが)ドイツ国境からあまり遠くないところで催される。 今年は一昨年に続いてバート・イシュルという温泉町が開催地だった。ドイツ国境から5キロしか離れていないザルツブルクから東へ30キロほどの地である。 温泉町ったって、日本の草津や熱海を想像してはいかん。まず、裸で入る温泉はない。ミネラル成分に富む鉱泉で知られるので、昔は特に関節や皮膚の病気を持つ裕福な人が出かけ、その水を飲むための施設があった。 今もそれは残っていて、昼間の講演会に続く夕食会の場所はその施設だった。名称をトリンクハレ(ドリンク・ホール)という。 湧き出る水は地熱で暖かいので、風呂ではなくプールがある。 私たちが泊まったホテルの隣は大きな温水プールで、サウナやジャグジーその他の付帯設備もあり、ホテルから渡り廊下を通ってバスローブ姿で行き来できるようになっているが、私は誰かと一緒に入浴するのはもちろん、人前で水着になるのもいやなので、猫に小判だった。 さて、私もこの種のイベントにはかなり顔を出しており、夫の出張で同業者を訪ねることもあるので、いまやかなりの顔見知りがいる。亭主の年齢を反映してジイサンが多いが50歳前後の社長やエンジニアも混じっている。 ○○○協会の元会長とか理事、大学の名誉教授などもいる。そういう方々は昔かたぎで、挨拶の時に私の手を取って手の甲にチュッとしたり。うンまあ、いまどき。でもオーストリアという国ではそれが時代錯誤でもない。 さて金曜日の正午をもって全プログラムが終わり、私たち夫婦は、ウィーン近辺の企業主およびその若い社員と、ドイツで夫が親しくしているコンサルタントをお茶に誘った。 オーストリアは「お菓子の国」なので、ドイツ人の方はクレープやチョコレートケーキなどを注文したが、お菓子に食べ飽きているオーストリア人は軽食にした。 今の時勢から話題は難民問題・ユーロ危機・パナマ文書等の欧州の国際問題が主で、ドイツ人の方は難民に関し確固たる方針を貫いているオーストリア政府をうらやむことしきり。 彼らはメルケルの命令と国民の要求の間で右往左往するドイツ内務大臣とは大違いだと、オーストリアのミクル=ライトナー内相を盛んに褒めたが、社長のN氏はやや懐疑的だった。 果たしてその翌日、ミクル=ライトナー女史が内務大臣の職を辞し、ニーダーエスターライヒ(下オーストリア)州の知事代理になるということが発表された。 ニーダーエスターライヒはウィーンを囲む州で、ウィーン特別市を含む9つの州の中では面積・人口ともに最大である。 現知事が70歳近いので、いずれ彼女がその後継者になるらしい。 とはいえ、内務大臣なら国政だから地位としてはこちらが上だと思うが、役職としては州知事の方が「断然楽しくて面白い」のだそうだ。 難民問題で苦労し、さんざん奮闘して、今やその業績が高い評価を得たので、「やるべきことはやった、これからはもう少し楽な仕事を」ということなのだろうか。 そのあたりのことは、さすがにN氏はくだんのニーダーエスターライヒ州の住民だけあって、事情を掌握していたようだ。 一方で外務大臣クルツ氏の評価では、全員が二重丸だった。 私は知っていたが、夫はN氏から初めて「彼は貴族や富豪の息子ではなく、普通の家庭の出身だからね」と聞いて、感嘆おくあたわずという風。 今ギリシアのイドメニには1万1千人の自称難民が泥キャンプを張っており、何としてもドイツに行くと言ってあきらめない。国境警備隊との衝突で数百名の怪我人が出たとか。 「難民」が掲げているプラカードを見ると、英語で「国境を廃せ」「すべての人間は法に適っている」「世の中に不法な人間などいない」と書いている。 彼らにこんなことが書けるとは思えないので、「活動家」と呼ばれる人々が手を貸し、撤退を拒むようけしかけていることは明白である。 聞けばしょっちゅうビラが配られ、それらは英語かドイツ語でかかれているそうだ。過日、国境のそばの川で溺死する人達が出たのも、活動家のビラと直接の扇動が原因だった。 イドメニの惨状を放ってはおけない、彼らをドイツに連れてくるべきだと、緑の党の、それも左派グループが主張しているが、そんなことをしたらたちまち数万人、数十万人が新たにマケドニア国境に押しかける。 「活動家」の資金源の一部は、この緑の党の左派からであろう。 いわゆるバルカンルートが閉鎖されて、運び屋たちがより危険で時間のかかるルートを開拓しているが、その中でイタリア東北部からブレンナー峠を超えてオーストリアのチロル州(州都インスブルック)に入るルートが第一候補となっている。 そのためオーストリアは最近、ブレンナー峠に国境警護の部隊を派遣し始めた。 理想物語やユートピアに狂う緑の党員は別として、一般のドイツ人はオーストリアに「しっかりやってくれよ」とエールを送っている。 メルケルはトルコよりオーストリアに財政援助をすべきだと思う。(オーストリアは多分、マケドニアの国境警備強化を財政的に支援しているであろう。) 最近、イスラム教徒を嫌うポーランドがイラク人キリスト教徒を何十人か受けいれたところ、彼らはあっという間に国境を越えてドイツに行ってしまった。 その理由は、ポーランドで最初にもらえる小遣いが断然少なく、また今後の生活保障費も、彼らが運び屋に払うために借りた金を返済するには足りないからだという。 ベルリンの緑の党の言う通りにしていたら、ドイツ人は自分たちが丸裸にまるまで中東・北アフリカの人々を助けねばならない。このことに多くの国民が恐怖を募らせているのは当然だ。 もっとも三月の選挙に勝ったわが州の緑の党右派も、左派の同僚の言動には閉口している。 しかし。 問題は難民だけではない。ギリシアの支払い不能問題がまたまた浮上し、IMFのラガルド女史がドイツなど債権国に借金の帳消しを迫って、これまた国民を怒らせている。 バート・イシュルへの途中で寄ったドライブインで、雑誌シュピーゲルをめくっていたら、面白い記事があった。 あるギリシアの公務員が、過去6年間1度も職場に行かず、それなのに毎月きちんと給料をもらっていて、そのことに誰も気づかなかったというのである。 お茶の席で私がその話をすると、ドイツ人のコンサルタントの爺さんが「そんなの全然驚く話じゃないよ、死んだ公務員に十年近く給料払ってたケースもあるから」という。 すると我が亭主が「ギリシアじゃ年金を相続できるから、死亡を隠す必要はないのにね。単に死亡報告が面倒くさかっただけだろう。」 年金を相続できるってどういうこと?何のため?と私が訊くと、「そりゃ、子供が働かずに暮らせるようにという親心さ」なんて、こっちの頭が変になりそう。 一人っ子の場合は全部もらえるだろうけど、兄弟姉妹があれば分割するの? だろうね、その場合は生活費としては不十分だから、ちょっとは働かなくちゃいけなくてみんな腹立たしいだろうね。 その子供の子供も、年金を相続できるの? どうだろう、孫にも年金を相続させるという話は聞いていないが、いずれそれも可能になるかもな。ドイツの金で。 私もう、欧州の政治の話はしばらく聞きたくない!!! 写真1.ホテルの横の温水プール施設 写真2.会議場 写真3.鉱泉を飲むトリンクハレ |