> sakkiさん
次回は銀について書くつもりです。請うご期待。
世界中には色々な人が住んでいます。ですから、その人たちの間に存在する価値と別の地域に住む人たちとの価値の違いがあるのは当然のことです。 これから少しこの価値観について書いてみたいと思います。 全世界では太陽を神とする信仰が多くあります。日本の古事記に出てくる天照大御神も太陽神と言って良いでしょう。 中国にも九っの太陽が現れる神話があります。羿(ゲイ)神話。 普通は、太陽の恵みを讃えるお話になっているのがほとんどです。 ところが、パプア・ニュ-ギニアのある民族の間では太陽なんてあんな邪魔な物がなんであるんだと考える人々もいるのだそうです。 それは、彼等は弓矢で鳥を射落として食べる生活をしているので、樹上の鳥を射るのに太陽などがあってはまぶしくて正確に射落とせないからだと言うのです。 この価値観の違いは人類の中でも正反対と言えるでしょう。 これほど大きな違いではなくとも、大なり小なりの違いは随所に見られます。 帆船時代に入り貿易が盛んになると、統一した価値観が必要になります。 それが、錆びずに輝く金属の金がその価値の統一に役立つようになります。もっとも、紀元前200年頃の古代ギリシアの数学者であるアルキメデス(ゲゲの鬼太郎の親父さんではありません)が王冠の金の含有量を調べろと命じられ、風呂の中でユリイカ(分かった) と叫んだ話は有名ですが、すでにそのころから金の純度については問題視されていたのです。 なぜなら、金に銀やその他の金属を混ぜてしまうと、溶解せずに純度を算出するのが難しいからなのです。 今では金の純度を調べるのに試金石などをつかったりする方法がいくつか考案されていますが、比重の原理を習ったことのある我々でも24金か18金かなんてそう簡単には判断出来ません。 ですから、金についてはイギリスで品位証明純制度というのが作られ、それにもとずいて 金のインゴットに刻印されるようになっています。 日本では1926年に東京貴金属検定所これを行ったそうです。 その後は造幣局に引き継がれ、造幣局による証明記号が生まれたのですが、日本は検定制度は任意制度ですから、各自のメーカーのマークで証明している場合が多いのです。でから、単に品位の数字表示だけの事もかなりおおくあります。 たった1グラムでも数千円もする金が刻印があったから安心なんて考えない方が良いでしょう。さらに、金塊を預かって証書などでお金を集める時に何本ものインゴットを並べて安心させる詐欺は二重、三重に仕組まれたトリックともいえるでしょう。 金の価格が上昇している現在、このような状況は承知しておかれた方がよいでしょう。 さて、余談になりますが、オリンピックなどで、金メダルを取った選手がメダルを歯で囓る写真が多く見られます。 これは日本人が多いようですが、銀や銅のメダルにはそんなことをしません。 なぜでしょう。 かっては金が価値観の象徴的なものであったわけですから、その価値を金貨として発行して、世界的に価値を共有しようとしたのです。 そうなると、政府なり国なりが保証したわけですから、別に一つ一つ鑑別しなくとも良くなります。 これを悪用したのが偽金貨です。金の含有量を低くした金貨を作ればその差額がもうけになります。 こうした金貨が数多く出回ると、受け取った方もその含有量が気になります。 一般の民衆が簡単に金の含有量を判定するのにはその堅さで判定するしかなかったのです。 純金になればなるほど柔らかくなります。混ざり物があれば硬度が増しますから(試金石はそれを利用してます)歯で噛んだ感触によって見分けていたのです。 ですから、金メダリストが歯でメダルを噛むと言う行為は実はオリンピック委員会の作成したメダルの純度を確かめていることになり、大変失礼な行動といわざるを得ません。 人類に共通と思われていた金の価値判断でさえこのようにあやふやでマスコミですら忠告していないのですから、その他のことはさらに多くありましょう。 それらについては、次ぎに。 |