中国語で悪口に「亡八(ワンパ-)」という言葉があります。これは人間が最も大切にすべき仁義礼智忠信孝悌の八つのことを忘れている人間のことをいいます。
日本人に対する侮蔑の言葉には小日本鬼子(シャオル-ペンクイズ)ともいいます。これは読んで字のごとくで、日本での鬼畜米英と同じような感覚になります。
もつとも、欧米人を悪く呼ぶときには海鬼(ハイクイ)といったり大鼻子(タ-ビ-ヅ-)ともいいます。これも漢字が分かる人にはなるほどとなりましょう。
もっとも、強烈なのは二百五(リャンパイウ-)といいます。
これは中国では梅毒の治療薬が205番目に開発されたとしていて、その薬を使っている脳梅毒患者という意味になります。
ラテン・アメリカ人は米国人のことをグリンゴ(grigo)とよびますが、これはメキシコ戦争の時にメキシコに侵入した米国兵がテントを張る時や行軍する時に歌っていた、Green Grow the Lilacs(リラは青く育つ)という歌からGreen Growをひとまとめにして呼んだことから来ています。
スペイン語をつかうラテン系の人々のことをspikと悪口でいい
ます。これはスペイン語のNo ess-pik English(英語がしゃべれません)からですからどっちもどっちです。
同じ伝で、中国人を侮蔑するChinkといういい方は実は中国語
でそのまま中国人(チュンゴウレン)を間違って発音したことから来ているようです。
面白いのはヤンキ-です。このYankeeはオランダ語のJan(ジャ
ン)からで、ハドソン河に住んでいたオランダ人のことをJanke
というようになり、やがて、独立戦争の時にイギリス軍は寄せ集めのアメリカ軍兵士のことを侮蔑語として使っていました。
ところがアメリカ軍が勝ち始めるとやがて尊敬の思いが加わってYankeeと尊敬の言葉になりました。
その後、南北戦争の時には北の人々は南部の人を侮蔑してまた、ヤンキ-と呼ぶようになったのです。
ですから、一口にヤンキ-といっても必ずしも悪口ではありません。ですから、ジャップと蔑まれたからとヤンキ-・オア・モンキ-なんて返答したらこれは間違いなく悪口になりましょう。
日本人にもヤンキ-と呼ばれる人種がいるようですが、こちらはまず尊敬の念はない人々でしょう。
ドイツ人のことはキャベツ(Kraut)といいますし、フランス人のことをカエル(frog)とよぶのは好んで食べているからでしょう。