ミドルクラスのコースは２７キロ。
最初は橋倉集落まで約６キロ、ロードの上りです。

今年出た他のレースでは、わりとすぐに登山道に入るので、
渋滞にかからないよう、スタートダッシュをかける必要がありましたが、
この大会の場合には、しばらくロードを走るので、
自然に人がばらけるので楽です。

先も長いので、あまり無理のないペースで走っていきますが、
どうやら上位１割には入っている感じです。
「これなら結構いけるかも」という気になりました。

橋倉集落を過ぎると、昔、子供の通学路だった山道を通り、林道を経て、
小太郎尾根越えのトレイルへ。
１３キロまでは基本的にずっと登りで、約1500mまで登ります。

急登と聞いていましたが、今年出たレースがエグいコースばかりだった
せいか、それほどには感じません。
ピッチを維持して早歩きで登っていきます。

このあたりから、一人の女子選手と抜きつ抜かれつの状態になりました。
声を掛け合いながら進みます。
途中にいる係員から「女子トップ」という声がかかります。
ということは、悪くないポジションにいるということでしょう。

ピークを登りきると、赤や黄色に色づいた山々が広がります。
ところどころで写真を撮りつつ、１６キロ地点の持倉エイドまでは
気持ちよく下ります。
コースは地元の方々が整備してくれたおかげでとても走りやすく、
バンバン下れます。

持倉エイドに着いたのがスタートから1時間53分後。
この持倉集落は天空の里にある人口１２人の超高齢化集落ですが、
大会時には、選手のために、地元特産のそばや花豆を準備してくれます。
私もそばをいただき、一息ついて再出発。

持倉エイドから未舗装林道や急斜面のトラバースをたどり、
１９キロ地点の安取峠へ。

下りをバンバン走ったので、太腿に乳酸が溜まってきたのを感じますが、
もうあと１０キロもないので、最後までしっかり走りきれると確信します。

安取峠からは、神丸尾根のなだらかな下り。
やわらかい地面に落ち葉が積もった、ふかふかのトレイルです。
鏑木さんの「極上のトレイルとはこういうもの」という
メッセージボードもありました。

このあたりになると、完全に人がばらけます。
前にも後ろにも選手がいない状態になりました。
極上トレイルを「ホー」とか「ヒョー」とか絶叫しながら、駆け下ります。
うーん、最高！

だんだんと高度を下げ、町が近づいてきます。
つづら折りの林道に出たので、「これを下れば最後かな」と思っていたら、
前にランナーが立ち止まっています。

「コース、これで合ってますよね」。
途中で分岐もなかったようなので、「多分大丈夫でしょう」と答えます。

しばらく走っていきますが、確かに、言われてみると、
コースを示すリボンがなかなか出てきません。不安が増大します。
と、そのとき、ピンクリボンを発見。
ちょっと古いリボンですが、大会のコースリボンのようです。
「まあ、広い林道なので、あまりコースリボンをつけていないのかな」
などと思いつつ、そのまま下っていきます。

林道を下りきると、ロードに突き当たりました。
しかし、左にいくか、右に行くか分かりません。誘導標識もありません。
近くにいた地元の方に「コースどっちですか」と聞きましたが、
「ちょっと分からないなあ」と言われてしまいました。

こっちだろうと見当をつけて左に曲がり、ちょっといくと、
別の道からランナーたちが駆け下りてくるのが見えました。
やはりミスコースしていたようです。

どのくらい大回りしたのか分かりませんが、せっかく上位にいたのに、
もったいないことをしました。
正規のコースに合流し、残りはあと２キロ弱。

ロードを走り、町の中心部に入っていきます。
目抜き通りを、地元の子供たちとハイタッチしながら走り、
右に曲がるとゴールゲートが待っています。

最後は、ヤッホーという感じで２回ジャンプして万歳しながらゴール。
タイムは３時間１分でした。

私はこの日がちょうど誕生日。
ゴールすると、サプライズで「ハッピーバースデイ賞」として、
鏑木さんから、地元婦人会の力作、押し花絵の額や、
ノースフェイスのハンディボトルなどをいただきました。
さらにゴール後には福引があり、地元の特産のこんにゃくが当たりました。

しばらくすると、途中で並走した女性が女性トップでゴール。
互いの健闘を祝して固く握手を交わしました。