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2012年10月25日(木) 
 次の発表会に歌う予定をしていたSecretoはやめて代わりにBarrio de tangoを歌うことにした。
というのは予定しているもう一曲がモレス&コントゥルシのGricel、どちらの歌も妻子ある男の倫ならぬ恋を歌ったものなので一方を別のテーマに変えようと思ったからだ。
というわけでBarrio de tangoの対訳を行なうことにした。この歌のテーマはマンシの好むSur辺りの郷愁である。昨年の訪亜ではマンシの詩に挙げられるポンページャの辺りをたずねようとザッと下調べもして行ったのだが、かってのタンゴの街は現在はとても物騒なところだと知りタクシーでリアチュエロ川に架かるアルシーナ橋を眺めて来ただけに終わったという顛末は当ブログにも報告した。


Barrio de tango(Tango 1942)
Letra: Homero Manzi/Música: Aníbal Troilo  対訳(訳註)

Un pedazo de barrio, allá en Pompeya,   
ポンページャ地区の向こう側の一隅、(現在はヌエバ・ポンページャと称される、向こう側とは南の方角である)
durmiéndose al costado del terraplén.   
土手の斜面で眠りについている (パンパやプラタ河からの洪水を防ぐためかリアチュエロ川の堤はかなり高い)
Un farol balanceando en la barrera     
踏切で揺れるランタンがひとつ(踏切手がランタンを振って列車に通過OK合図している)
y el misterio de adiós que siembra el tren.
そして列車が振り撒く別れの不思議(ひとは何故別れねばならないのか...)
Un ladrido de perros a la luna.      
月に向かって犬たちがひとつになって吠える声(犬は複数、吠え声は単数であることに注意)
El amor escondido en un portón.      
戸口に隠れて恋がすすむ(ポーチ辺りは家人からも通りからも隠れることができる)
Y los sapos redoblando en la laguna    
湿地ではヒキガエル達が太鼓を打ち(普段は水量が少なく川幅が広いので中に湿地ができてた)
y a lo lejos la voz del bandoneón.    
遠くではバンドネオンの声

Barrio de tango, luna y misterio,     
タンゴの街、月と神秘
calles lejanas, ¡cómo estarán!      
遠く離れた街路の数々、どうなっているだろう
Viejos amigos que hoy ni recuerdo,    
懐かしい友人達、今は想い出すこともない
¡qué se habrán hecho, dónde estarán!   
どこに居て何をしているのやら
Barrio de tango, qué fue de aquella,   
タンゴの街、そこでは何があっただろう   
Juana, la rubia, que tanto amé.      
フアナが居た、金髪女性で、僕はとても好きだった
¡Sabrá que sufro, pensando en ella,    
知って欲しい!彼女を想って苦しんでいることを
desde la tarde que la dejé!        
彼女と別れたあの午後からずっと!
Barrio de tango, luna y misterio,     
タンゴの街、月と神秘
¡desde el recuerdo te vuelvo a ver!    
思い出したので再びお前に会いにゆこう!

Un coro de silbidos allá en la esquina.  
角の向こうで口笛のコーラス
El codillo llenando el almacén.      
枝肉でいっぱいの食品店
Y el dramón de la pálida vecina      
蒼白い隣の女の独り芝居(駅での別れをドラマチックに仕立てて演じているのか)
que ya nunca salió a mirar el tren.    
彼女は決して列車を見にゆかなかった
Así evoco tus noches, barrio 'e tango,  
タンゴの街よ、こうしてお前の夜を呼び起こす
con las chatas entrando al corralón    
車溜まりに入ってゆく荷馬車達と(仕事を終え馬を解いて荷車を置く共同場所があった)
y la luna chapaleando sobre el fango   
泥濘の中で飛び散る月(馬や荷車を洗った水でいつも水溜りが出来ていた)
y a lo lejos la voz del bandoneón.    
そして遠くではバンドネオンの声

”ところ変われば”何とやらで、アルゼンチンには不思議な交通ルールがある。ひとつは踏切直前での一旦停止はご法度ということ、それゆえであろうが踏切には遮断機が無くて赤い灯が点滅する警報機があるだけだ。
踏切に列車が近付いてる場合に車は速やかに渡りきるのがルールなのだ。もうひとつは車検制度がないことだ。地方へゆくと前照灯も赤色尾灯も全く点いてない車が走ってたりする。加えて放牧の牛がのそりと歩いていたりするのに100km近いスピードで飛ばすので本当に神経を使う。

閲覧数1,066 カテゴリタンゴ徒然 コメント4 投稿日時2012/10/25 19:06
公開範囲外部公開
コメント(4)
時系列表示返信表示日付順
  • 2012/10/31 01:13
    El bohemioさん
    Barrio de Tango好きなタンゴですね、、、翻訳も素晴らしい、、、アルシーナ橋の近くは新移民のボリビア、パラグアイ人達が多く住んでいる。無職の人々の群れ、危険地帯になってしまった。
    タンゴの雰囲気の強い場所だが残念ですね。
    次項有
  • 2012/10/31 07:37
    > El bohemioさん
    かってはこの辺りで列車が通るのをあかず眺めておられたとおっしゃってましたね。半世紀近く前は平穏な土地柄だったのですね。
    次項有
  • 2012/11/02 23:55
    El bohemioさん
    たしか、午前10時ごろ、なんら危険を感知する気配は無く。そこはポエド通リを南に行くとアルシナ橋に突き当たる。なぜそこに居たか記憶を辿る。多分自分の意思で行ったのではなく。バイトのメセンジャーとしてポンページャ街の銀行へ小切手を振り込みに行か
    されたと言うわけ。そこがマンシのタンゴの世界とは知らずに、、、後年、リベーロが歌うマンシの“スール”のテレビ画面を見ていて、そこが俺の居た場所だった、、、と
    次項有
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