立花江津子さん(姫路市在住)は、姫路カトリック教会やパルナソスホールをはじめ、松蔭女子学院やポートピアホテル、オランダのベネディクト修道院など、多くの作品を手がけている、世界的なステンドグラス作家です。 https://www.kinjo-u.ac.jp/ja/about/facility/glass/author1/ 6月1日(土)に「はりまびと語る」で、その立花さんの「想い」をたっぷりと語って頂きました。 たいへん遅くなりましたが、ご参加の木村明輝子さんによる報告をお送り致します。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 「ステンドグラス」というと光の鮮やかな色彩を連想していましたが、実は「ステインド」=「染みを付ける、汚す」工程を経てこそ作品に奥行きと深みが生まれ、光の濃淡や色彩の豊かさを際立たせるのだそう。 実際に、きめ細かなグリザイユ(ガラスに明暗を加える)の処理が施されたパネルと未処理のパネルとを比べてみるとその違いは歴然で、大きな発見がありました。 また、ステインドグラスは平面デザインに留まらず、ガラスの立体性、自然光の通りかたや移ろいかた、経年による風合いの変化、数多くのパネルを並べた際の色彩バランスなどさまざまな事柄を踏まえて構想されているとのこと。 非常に綿密かつ繊細に計算された、極めて高度な芸術作品なのだと再認識しました。 私は神戸松蔭女子学院大のチャペルで、立花江津子先生が手掛けられた「LIGHT OF LIGHT」を何度も拝見しています。 その場に足を踏み入れたとき、いつも不思議と頭の中がクリアになり、そこに差し込む色とりどりの光にただただ胸打たれ、描かれた物語に想いを馳せながら心静かな時間を過ごしました。 見る者を一瞬で神秘の世界にいざなう立花先生のステインドグラス。それは先生の研ぎ澄まされたインスピレーションによって産み出されたものであり、さまざまな趣向を凝らし膨大な作業工程と長い日数を経て形作られた、探求と努力の賜物でもある。その感性と知と情熱の融合に、私たちは深い感動を覚えるのでしょう。 自然の光とコラボレーションしながら日々幻想的な空間を作り出すステインドグラスはまた、定期的なメンテナンスを必要とするのだそう。言わば、自然と共に生き、人と共に生きる芸術。 すべての作品が次世代にしっかりと受け継がれ、さまざまな人の生活の場で末永く愛されるため、ファンの一人としてできることを考えて行きたいと思います。 そして、誇りと熱意を持って活動を続けて来られた立花先生の 「次世代の創り手に技術を繋げ、彼らの活動を支援して行きたい」 という思いが若い人々に届き、その輪が大きく広がって行くことを願っています。 最後に、立花先生の素晴らしい作品に心より敬意を表します。 また新たな作品を拝見できるのを楽しみにしております。 レポーター:木村明輝子さん |