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2024年07月05日(金) 
新1万円札にデザインされている渋沢栄一の孫、日銀総裁から大蔵大臣になった渋沢敬三が起こした「アチェット・ミュージアム」を源流とする日本の民俗学。その二大巨頭が柳田国男と宮本常一です。
今回は、自らをオルタナティブ(傍流)においた、宮本の代表作『忘れられた日本人』を読むことで、忘れてはならない日本人の原点を探る旅にでました。

秘密基地に集まったオフライン参加が10名、全国各地からのオンライン参加7名という大所帯。
大学院での研究の中で、恩師に紹介してもらった一冊が「忘れられた日本人」だったというご縁があり、
「共育士見習い補佐」の和﨑(わたし)が、初めて進行を務めました。

NHKテキストを使用した「はじめに」は、秀才でエリートだった柳田と、苦学して人びとの生活自身から庶民目線で捉える宮本との根本的な研究スタイルに違いを確認し、それぞれがどのように日本人の「心」を探ろうとしたのかについて学びました。

第1回は、「もうひとつの民俗学」にとして、柳田の描く民話を中心としたファンタジックな民俗学と、名もない庶民の聞き書きを中心に「道具」からアプローチする宮本の生活史としての民俗学の違いについて認識を深めました。

第2回は、「伝統社会に秘められた知恵」として、共同体をしなやかに支えてきた「寄り合い」「講」「年齢階梯制」になどの仕組みとその運用について書かれていました。
西洋文化の流入・拡大・浸透により、今では忘れられた日本のコミュニティ文化の基盤技術から、学ぶことがいかに多かったのかを再認識することになりました。

第3回の「無名の人が語り出す」では、徹底して自らの足を使い、「見る」「聴く」「書き留める」という調査スタイルを貫いた宮本の研究スタイルから、進歩や発展の名の下に切り捨てられてきた『もうひとつの日本人』の姿がいかに描き出されているのかについて考察を深めることが出来ました。
(事前にさまざまな準備を尽くした)マニュアルによらず、素朴な老人たちから聞き出したことや体験の方が、より普通の人びとの生活を描き出し得ることを、宮本は悟っていました。

第4回は、「世間師の思想」。一人の人間は、複数の世間に属しており、その世間ごとに違った自分、複数の属性を使い分けている。その「世間」をわたり歩き、さまざまな影響(効果)を世間にもらたす旅人のような存在が「世間師」。宮本自身も、宮本の父も、そして島の若い女性たちが都会に奉公に出る社会勉強も世間師なのだと知ることが出来ました。

今回の読書会の最後のまとめとなる「忘れてはならない日本人」についての対話では、それぞれ参加者が自らの経験や体験に基づいた発言をされている中で、わたしたち自身が忘れることなく、ひとりひとりが先人たちの生活から引き継いだものを、大切に伝え体現していかなくてはならないんだ、ということを確認し合うことができました。

次回は、2024年8月5日(月)14時から、キャンベル 『千の顔を持つ英雄』を、進行役・宇野沢七夏さんで開催します。
ご参加よろしくお願いします。

閲覧数51 カテゴリ日記 投稿日時2024/07/05 05:46
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